併存的妥当性とは?
併存的妥当性とは同時期に実施された別の尺度(外的基準)とその尺度の関連性を見ます。
端的には、「併存的妥当性」とは、「その測定方法が別の似ている測定方法と矛盾していないか」を見ます。
解説
位置付け
分類としては、「併存的妥当性」は「基準関連妥当性」の1つとされます。
そもそも「妥当性」とはその測定方法が測定したいものをちゃんと測定できているかを見ることです。
妥当性には大きく3つの種類があると言われることが多いです。
その3つとは「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」です。
併存的妥当性は基準関連妥当性の下位概念と言えます。
意味
冒頭で述べた通り、併存的妥当性はその測定方法が別の似ている測定方法と矛盾していないかを見ます。
例えば癌を見つけることができる薬である新薬Aを開発したとします。
しかし、今まで広く普及していた薬Bでは陽性が出ているのに、この新薬Aでは陰性が出てしまいました。
この場合、「新薬Aは癌を見逃してしまうことがあるのかな?」と思ってしまうでしょう。
このように、併存的妥当性はすでにある別の基準(外的基準)と照らし合わせてその尺度の妥当性を見ます。
もちろん、薬Bよりさらに精度が高い薬Aを開発しようとするとき、必ずしも薬Aの結果が薬Bと全く同じにならないといけないわけではありません。
しかしすでにある基準と結果が矛盾している場合、その解釈が慎重になることは確かです。
先程の新薬Aの例で言うと、薬Bの性能をきちんと網羅し相関がある結果を出せていれば、新薬Aの併存的妥当性は高いと言えるでしょう。
逆に薬Bでは陽性なのに新薬Aで陰性、つまり誤差が大きければ併存的妥当性は高くないと言えるでしょう。
「妥当性」の種類や意味
参考資料
『妥当性概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月18日閲覧