収束的妥当性とは?
収束的妥当性とは、同じ構成概念を有していると考えられる尺度との相関を見ます。
端的には「収束的妥当性」とは「その測定方法が、同じような概念の下で作られた別の尺度とちゃんと相関しているか」を見ます。
解説
位置付け
分類としては、「収束的妥当性」は「構成概念妥当性」の1つとされます。
そもそも「妥当性」とはその測定方法が測定したいものをちゃんと測定できているかを見ることです。
妥当性には大きく3つの種類があると言われることが多いです。
その3つとは「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」です。
「収束的妥当性」は「構成概念妥当性」の下位概念と言えるでしょう。
意味
冒頭で述べた通り、「収束的妥当性」は「その測定方法が、同じような概念の下で作られた別の尺度とちゃんと相関しているか」を見ます。
例えば小学校の先生であるAさんが、「小学校4年生の漢字の理解力を見るテスト」を作ったとします。
当然このテストは「小学校4年生で習った漢字」を出題範囲として作ることになるでしょう。
一方で、同じく小学校の先生であるBさんも「小学校4年生の漢字の理解力を見るテスト」を作るとします。
この場合も当然ながら「小学校4年生で習った漢字」を出題範囲として作ることになるでしょう。
つまり、「小学校4年生の漢字の理解力を見るテスト」を作る場合、Aさんが作ってもBさんが作っても「小学校4年生で習った漢字」というテスト作成の材料は共通します。テストを構成する概念は一緒と言えるわけです。
このように考えると、Aさんが作ったテストもBさんが作ったテストも、例えば同じクラスの生徒が受ければ似たような結果になることは予想できます。
それなのに、仮にAさんのテストではみんなが簡単に100点を取って、Bさんのテストでは他の授業と相関する程度に点数がばらけたらどうでしょう。
Aさんのテストは簡単すぎではないか。例えば簡単な漢字ばかり出していないかという予想が立ちます。
つまりAさんのテストは作成過程に偏りがあり、収束的妥当性が低い可能性があります。
逆にAさんのテストでもBさんのテストでも、同じ人・同じクラスが受ければ結果が同じようになれば、このテストは収束的妥当性は高いと言えるでしょう。
「妥当性」の種類や意味
参考資料
『妥当性概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月18日閲覧