判別的妥当性とは?
判別的妥当性とは、明確に分けられた2群をある尺度によって区別できるかを見ます。
端的には、「判別的妥当性」とは「その測定方法でAとBに正確に分けることができるかどうか」を見ることです。
このAとBとは、例えば「陽性」と「陰性」などです。
解説
位置付け
「妥当性」には大きく「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」の3つがあります。
そして「判別的妥当性」は「基準関連妥当性」の1つです。
「妥当性」とは、「測定方法」が「測定したいもの」をちゃんと「測定できているか」という着眼点のことです。
「基準関連妥当性」とは、例えば何か新しい尺度を作るとき、それが既存の尺度と矛盾していないかを見ます。
例として、癌を見つけることができる薬「A」があるとします。
ここで新しい薬「B」を開発しました。
しかしこの薬「B」は「A」で陽性判定が出たときでも陰性が出てしまうことがあります。
つまりこの新薬「B」は「A」ほど精度が高くなく、基準関連妥当性の観点からはそこまで妥当性が高くない薬と言えます。
このように基準関連妥当性は尺度を別の基準(外的基準)と照らし合わせて検証します。
意味
冒頭で述べた通り、判別的妥当性は2群に分ける正確性を見ます。
例えば、糖尿病の患者10名と、そうでない10名の人がいます。
ここで糖尿病の新しい検査薬Aを作ったとします。
判別的妥当性が高ければ、この検査薬Aは糖尿病患者10名とそうでない10名をきっちり分けることができるでしょう。
逆に精度が低ければ、間違って陽性や陰性を出してしまうかもしれません。
このように判別的妥当性は文字通り対象を「判別」できるか否かの妥当性を見ます。
「妥当性」の種類や意味
参考資料
『妥当性概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月18日閲覧