理論的妥当性とは?
理論的妥当性とは、測定したい概念を適切に測定できているか知識や理論に基づき検証することです。
端的には「理論的妥当性」とは「専門家が見て『この測定方法やちゃんと作られているね』と思えるか」ということです。
解説
妥当性の意義
そもそも「妥当性」とは、「測定方法」が「測定したいもの」をちゃんと「測定できているか」という着眼点のことです。
例えば子供の身長を測りたいのに体重計を持ってきては不適切です。
この場合の「測定したいもの」は「身長」であり、「測定方法」は「身長計を使う」です。体重計では身長は測定できません。
このような簡単な例であれば「妥当性」は「当たり前」に聞こえますが、複雑な学問になればなるほど「妥当性」の検証は難しいです。
例えば「人が将来幸せになれるかどうかわかるテスト」があったときに、どんな質問項目が「妥当性」があるのでしょうか。
「年収」でしょうか「結婚の有無」でしょうか。いや、お金があっても不幸な人はいますし、結婚が人生の幸せとも限らないでしょう。
このように、妥当性を検証することは学問において非常に重要です。
位置付け
諸説ありますが、妥当性は大きくは「基準関連妥当性」「構成概念妥当性」「内容的妥当性」の3つに分類されます。
そして「理論的妥当性」は「内容的妥当性」の1つです。
意味
冒頭で述べた通り、理論的妥当性とは測定したい概念を適切に測定できているか知識や理論に基づき検証することです。
つまり理論的妥当性とは、専門家が見ても不自然でない作りになっているかということです。
ものすごく飛躍した例えになりますが、
例えば「アイドルの恋愛を禁止している芸能事務所」があったとします。
素人から見れば個人の恋愛を制限するなんて「なんだかなぁ」という感じですが、芸能関係者、つまり専門家から見れば「アイドルがファンを獲得し売れるためには無難な戦略だな」と思うかもしれません。
このとき「アイドルの恋愛禁止」はある意味で理論的妥当性が高いとも言えます。
このように理論的妥当性はその分野の知識を持った専門家の判断に準じ、妥当性の種類の中では比較的主観的なものとも言えます。
「妥当性」の種類や意味
参考資料
『妥当性概念の歴史的変遷と心理測定学的観点からの考察』(一般社団法人 日本教育心理学会)2023年6月18日閲覧