ワーキングメモリ

ワーキングメモリのモデルと概念|Baddeleyの音韻ループ・視空間スケッチパッド・エピソードバッファ・中央実行系

公開日:2022年8月29日


 
 

Baddeleyのモデル

 ワーキングメモリの仕組みを考える上で、有名なものにBaddeley氏のモデルがあります。

 これによるとワーキングメモリは

  • 音韻ループ
  • 視空間スケッチパッド
  • エピソードバッファ

そしてこれらの司令塔的役割を持つ

  • 中央実行系

という4つの要素で成り立っていると考えられています。

つまり

音韻ループ      \
視空間スケッチパッド -中央実行系
エピソードバッファ  /

という図式です。

 
 
 

各要素の解説

音韻ループ

 言葉に関する情報を担う機能です。

 
 

視空間スケッチパッド

 言語化できない情報を担う機能です。

 
 

エピソードバッファ

 長期記憶との照合・アクセスを担う機能です。

 
 

中央実行系

 これら3つの機能を統合・調整する司令塔的な機能です。

 
 
 

モデルの解説

 ワーキングメモリは一時的に保持した情報を操作する能力のことです。

 例えばランダムに呈示された数字を逆から言うには、数字を覚えた上でそれを逆から言う「操作」が必要になります。

 ワーキングメモリはこういった作業を担います。

 ではワーキングメモリはどのような処理過程を行っているのか。

 Baddeleyのモデルに沿うと、

 呈示された情報のうち言語的な情報は音韻ループで、非言語的視覚的情報は視空間スケッチパッドで扱われます。

 それらと併行してエピソードバッファにより長期記憶も必要に応じて活用してきます。

 このようにして情報を保持・操作していくわけですが、その統合・司令塔として中央実行系が活躍します。

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索

『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索

『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索

『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧

『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧

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