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ワーキングメモリのパフォーマンスを上げるには?
トレーニングによってワーキングメモリそれ自体を向上させることができればそれに越したことはありません。
しかしワーキングメモリのトレーニングのエビデンス(科学的根拠)はまだ確立されていないのが現状です。
個々の研究では興味深い手法もなくはないですが、確実に大きな効果を保証するものはありません。
このためトレーニングを行いつつも、
今の自分のワーキングメモリの力を最大限に発揮できるよう、コンディションを整えることは大切かと思います。
以下、これらの工夫や考え方を挙げていきます。
解説
環境によるワーキングメモリの変化
ストレスや不安が大きいときは、ワーキングメモリのパフォーマンスが低下することがわかっています。
また、未知の状況に対応できる地頭の良さのような知能を流動性知能と言いますが、
アルコールの摂取などで流動性知能は低下しやすいことがわかっています。
このように、自分の心身のコンディションを整えることは、今ある自分の力を十分に発揮する上で大切なことです。
ワーキングメモリと長期記憶の関係
ワーキングメモリは単体で働くのではなく、長期記憶と連動しながら働きます。
このため、日常で使うであろう知識や手続きを長期記憶化しておけば、そのぶんワーキングメモリの空き容量を作ることができると考えられます。
ワーキングメモリのトレーニングと比べると、情報を長期記憶化する方法は比較的確立されています。
よく使う情報や手続きを長期記憶化させることで、結果としてワーキングメモリのパフォーマンスを向上させることが期待できます。
長期記憶に記憶するコツ
ワーキングメモリのトレーニング
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索
『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索
『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧