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ワーキングメモリのトレーニング方法はまだ確立されていない研究途中の分野です。
このため前ページの内容を踏まえた上で読み進めていただくことをおすすめします。
【目次】 [close]
コアトレーニングの内容
コアトレーニングはワーキングメモリのトレーニングの種類の1つです。
コアトレーニングの内容は研究論文によって様々ですが、一例としてはKlingberg氏が行ったものが有名です。
- 視空間ワーキングメモリ課題
- 逆唱課題
- 文字記憶課題
- 反応選択課題
以下、これらを見ていきます。
各トレーニングの内容
視空間ワーキングメモリ課題
画面に提示される〇の位置を記憶する課題です。
〇の位置を目で見て覚えるため、文字通り「視空間」に関するワーキングメモリの力を見ます。
当然、〇の個数が多ければ多いほど難易度は上がります。
逆唱課題
数字を提示とは逆の順序で再生してもらいます。
数字を提示された順序通りで言う「順唱課題」が短期記憶に着目した課題であるのに対し、逆唱課題は典型的なワーキングメモリの課題になります。
文字記憶課題
1つずつ読み上げられる文字(アルファベット)を複数記憶します。
そして4つ並んだランプのうち、例えば2つ目が光ったら2番目の文字を言ってもらいます。
このように視覚で指示された順序の文字を再生してもらいます。
反応選択課題
画面に提示された灰色の〇が、緑に変わるとボタンを押しますが、赤の場合は押さないといった課題内容です。
トレーニング回数や期間
以上のトレーニングをKlingberg氏の研究では30試行ずつ、毎日25分間、24日程度続けて実施しています。
このように、トレーニングはある程度「コツコツ」行うことが必要と言えます。
ワーキングメモリのトレーニング方法について
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索
『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索
『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧