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ワーキングメモリのトレーニング
ワーキングメモリのトレーニングとしては大きくは
- ストラテジートレーニング
- コアトレーニング
の2種類があります。
エビデンスの解説
研究の現状
大前提として、ワーキングメモリのトレーニング方法はまだ研究途中であり完全に確立したものではありません。
個々の研究論文レベルで効果があったものもありますが、より広い範囲で検証・比較した場合に「確実にこの方法ならワーキングメモリが向上する」といった方法はまだ見つかっていません。
一方で、ワーキングメモリは知能全般に影響する力の1つとされ、そのためワーキングメモリを向上させる方法の研究は盛んです。
このため「ワーキングメモリを向上させる」という謳い文句のある教材・教室・商材は非常に多いです。
ワーキングメモリへのアプローチに際しては、こういったキャッチーな方法が独り歩きしていることに注意しながら取り入れる必要があると言えるでしょう。
つまりエビデンス(科学的根拠)を見極める力が必要であると言えます。
トレーニング効果の意味
ワーキングメモリに限らず、何かをトレーニングする場合はその効果の大きさだけでなく範囲も重要です。
つまり、例えば数字を暗記するようなトレーニングが本当に知能全体に影響を与えるのか、それとも単に数字を暗記することだけが得意になるのかということです。
当然、その問題だけ得意になっても意味がありません。
何かをトレーニングする場合は、そのトレーニングはより広い範囲で影響を及ぼすことが重要であり、それがトレーニングの質と言えます。
ワーキングメモリのトレーニングの多くはその課題自体は成績が向上するものの、知能全体にはなかなか影響を及ぼしません。
ワーキングメモリのトレーニングがまだ研究途中であると先ほど書きましたが、これは知能全体に影響を及ぼせるようなトレーニング方法がまだ研究途中であるということを意味します。
以上を踏まえ注意深く、ワーキングメモリのトレーニングについて見ていきます。
トレーニングの種類の解説
ストラテジートレーニング
コアトレーニング
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『発達障害のある児童のワーキングメモリは改善できるのか–広汎性発達障害のある児童を対象とした試み』(東北福祉大学機関リポジトリ)2022年8月6日検索
『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索
『前頭前野とワーキングメモリ』(日本高次脳機能障害学会)2022年8月6日閲覧
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧