会話には「話し手」と「聞き手」があります。
会話を上手くしよう、コミュニケーションをうまくとろうと思ったとき、何を話すかを考えがちです。
しかし実際コミュニケーションをうまくとろうと思ったら良い話し手より良い聞き手になるほうが近道です。
人は誰しも話したいし、自分の話を聞いてほしいものです。
一方で、「聞く」という行為は意外と簡単ではありません。
相手がまた話したいと思えるように、
相手が聞いてくれて嬉しいと思えるように、
相手が聞いてくれていると実感できるように、
聞くというのは意外と難しいものです。
良い「聞き手」になるためのポイントを考えてみたいと思います。
人は人に話をするとき、想定している所要時間があります。
さっと手短に聞いてほしいときもあれば、
じっくり時間をかけて聞いてほしいときもあります。
相手が聞いてほしい時間にこちらも合わせることが大切です。
さっと聞いてほしいのに、長々と質問して話を伸ばされてはうんざりします。
じっくり聞いてほしいのに、さっと流されては不満が残ります。
相手が話しているときに、この話題はどのくらいの時間をかけて聞いてほしいのかを考えるのです。
相手の話に対して、相手を否定しないことは大切です。
「それはあなたが悪い」「それは違うと思う」
否定されると相手は話したくなくなります。
相手を肯定してあげることが大切です。
また、相手を否定しない聞き方をしているときに難しいのが相手が自分自身を否定しているときです。
「あのときは私の方が悪かったと思うんだよねえ」などです。
この場合、
1)本当は悪いと思ってなくて否定してもらいたいのか
2)本当に悪いと思っていて反省を話しているのか
で対応が変わります。
(1)の場合は「そんなことないよ。○○さんは間違ってないよ」など相手を肯定するために発言を否定します。
(2)の場合は「そうなんだね。いま振り返ってそう思えているならいいことだよね」など相手自身も相手の発言も肯定します。
基本的に、相手はあなたに話を聞いてほしいものです。
「~はこうしたらいいよ」といったアドバイスの類が必ずしもほしいわけではありません。
相手と話題や感情を共有し、一緒に共感していく中で自然と相手が答えを見つけていく。
それが良い聞き手です。
良い聞き手というものは自然なものです。
「聞いてもらっている」と相手に感じさせるうちはまだまだです。
相手が引け目を感じない程度に自分も話すのです。
「あの人と話していると楽」
「あの人にはなんでも話せる」
良い聞き手とは何気ないことを話しやすいものです。