小さいお子さんの「ワンワン」「ブーブー」といった幼児語はかわいらしいですよね。
幼児語は何歳くらいで卒業するのでしょうか?
幼児語は一般的に6歳半ば以降からほとんど見られなくなると言われています。
言葉が出るのは何歳?
人間の発音は年齢を重ねる中で徐々に成長していきます。
赤ちゃんの頃はまだ言葉になっていない喃語(なんご)ですね。
これが1歳くらいになると具体的な音を出して単語になっていきます。
そのお子さんが初めて発する言葉を初語(しょご)と言います。
もっと詳しく:言葉が出るのは何歳から?
幼児語の背景
1歳頃というのは発音できる音が限られます。母音(あいうえお)や唇を使う音が主となります。
唇を使う音とは、パ行やバ行、マ行の音です。
これらは上下の唇と一旦くっつけないと出せない音です。
唇を使う音を両唇音とも言います。
使える音が限られるので、当然ながら組み合わせも限られます。
「ブーブー」「マンマ」「パパ」などに必然となっていきますね。
このように同じ音を繰り返す傾向を同音反復と言います。
発音できる音が少なかったり、それ故に同音反復があったりすることが、幼児語の背景にはあります。
このように見ていくと、幼児語が成長過程における必然であることがわかると思います。
発音が完成する時期
発音の上達や認知の向上に伴って、幼児語は徐々に減っていきます。
言語聴覚士の本間慎治氏によると、
日本語に必要な音が全て一貫して正しく発音できるようになるのはおおむね5~6歳頃だそうです。
このように考えると、5~6歳、つまり保育園の年中さんが幼児語を卒業する1つの目安になりそうです。
発音の自己修正
幼児語を使うか使わないかというのは環境や生活習慣も大きく影響しそうです。
発音の完成時期 = 幼児語卒業時期 と考えるには不十分。
もう少しいろんな側面を見てみましょう。
子供の全体的な発達を知る目安にKIDS乳幼児発達スケールというものがあります。
補足記事:KIDS乳幼児発達スケールとは?
KIDSによると、自分の発音が間違っていたときに、自分なりに修正を試みるのは4歳6カ月以降と言われています。
つまり4歳半くらいになってくると発音が成長するだけでなく、自分の発音についての自覚も少しずつついてくるということです。
幼児語の卒業
さらに子供の発達を見る目安に津守式乳幼児精神発達質問紙というものがあります。
補足記事:津守式乳幼児精神発達質問紙とは?
津守式乳幼児精神発達質問紙によると、
幼児語をほとんど使わなくなるのはおおむね6歳6カ月以降とされています。
まとめ
以上のことからまとめます。
人間が言葉を話し始めるのは一般的に1歳以降です。
同時にこの頃から幼児語が始まります。
なぜ幼児語が見られるかと言えば、発音をするための器官の未熟さ。それにより音のレパートリーが限られるからです。
口腔器官の発達や認知の成長に伴い、幼児は減少していきます。
4歳半以降には、自分の発音を自分で言い直すような様子も出てきます。
そうやって上達していき、5~6歳頃には発音がおおむね完成します。
さらに完成した発音が習熟していき、6歳半以降には幼児語がほぼなくなります。
しかしながら子供の成長には個人差があります。
上記はあくまで目安であり、多少の前後はあって当然でしょう。
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