診断

脳性麻痺とは?

公開日:2016年9月26日

脳性麻痺について。
専門的な定義は検索すればたくさん出てくるので、
ここでは噛み砕いて書くことを前提に。

【脳性麻痺】
脳の損傷によって生じる運動機能障害です。

・生後4週間以内に発症したもの
・一時的な症状ではない
・進行性ではない

補足すると、
発症は生後4週間とされていますが、だいたいは首がすわるなどの発達が遅れていることをきっかけに気づかれることがあるので、診断が実際につくのはそれ以降になることが多いです。

進行性ではないということは何もしていないのに極端に症状が改善したり逆に悪くなったりしないということです。
もちろん加齢に伴う状態変化は除きます。

以下、脳性麻痺に関連する用語をいくつか。
 
 
 

痙直型

 
脳性麻痺の症状分類の一つ。
脳性麻痺の中で一番多い症状です。

関節を曲げた状態が強く維持されています。
ですので初見は関節の動きが硬い印象を受けます。
しかし、関節を曲げ伸ばししようと手伝っていると急にその硬さがなくなります。もちろんこれらは本人の意図的な力の入れ具合とは無関係です。

折りたたみナイフははじめ強く引き出さないといけないですけど、ある一定のポイントからはスッと刃が出せますよね。
その様子に似ていることから、この急に関節の抵抗がなくなる状態を「折りたたみナイフ現象」と言います。
痙直型の特徴的症状の一つです。
 
 
 

アテトーゼ型

 
体が自分の意思とは関係なく動いてしまうイメージです。
とはいっても勝手に歩いたりといったことではなく、動かすつもりがないのに手がパーンと跳ね上がってしまったりといった状態です。

このようにアテトーゼ型は自分の意思とは関係なく体が動く不随意運動が特徴です。
しかしながらある程度は意思にリンクしている部分もあります。
感情が高ぶると比較的激しい不随意運動が見られたり、睡眠中は逆に見られなかったりといった傾向もあります。
 
 
 

固縮型

 
痙直型同様に体が硬いイメージです。
しかしこちらは、関節を動かそうとすると、歯車のように「カク、カク、カク」と段階的に動き、なめらかではありません。
※ちなみに「カクカク」と音はしません。
 
 
 

失調型

 
細かい動きが苦手だったり不安定だったりします。
歩行ができる方でも転びやすかったりします。
 
 
 

まとめ

 
痙直型が7,8割、アテトーゼ型が2割前後ですので脳性麻痺はこの2つの型で9割を占めます。

ちなみに分類はなんでもそうですが、これらの症状を混合している人も多く現場では一つの型に収まる症状の人は少ないです。

現場ではその人の身体動作の特徴を柔軟に把握することが重要です。
 
 
 
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