発達の最近接領域とは?
発達の最近接領域とは誰かに手伝ってもらえばできる領域の活動を指します。
より簡単に言うと、「簡単にできること」と「難しすぎてできないこと」のちょうど境目の活動が発達の最近接領域です。
発達の最近接領域は教育や子育てにおいて大切な概念の1つです。
以下、発達の最近接領域の具体例を(あくまで例ですが)挙げていきます。
発達の最近接領域(ZPD)の具体例
じっとしていられない
例えばある子が保育園で席に座ってじっとしていられなかったとします。
この場合、この子がじっとしていられない理由をいくつかに分けて考えます。
例えば、教室の人数が考えられます。
その子が20人子供がいる教室だとそわそわしますが、10人ほどの教室なら先生が見守りながらであれば集中して過ごせるとします。
そうであれば10人の少人数の教室に在籍させる方法が候補に挙がります。
あるいは、活動の内容と時間もポイントになるでしょう。
例えば絵を描く活動において自由に絵を描く場合はそわそわしても、先生が見本を描いてあげるとイメージが湧いて描くことができるかもしれません。
また、集中時間が30分は難しくても10分集中して残りは先生が一緒に活動すると最後まで楽しく参加できるかもしれません。
ハサミの使い方
例えばある子がハサミを使って紙から形を切り抜くことができないとします。
しかしこの子はハサミの刃をとりあえず開閉させて、紙に刃を入れることはできるとします。
そして少し大人が紙や持ち手を支えてあげると、ある程度は直線に沿って紙を切ることができるとします。
この場合、大人が手伝いながらまずは直線に沿って紙を切ることが目標の1つになるでしょう。
さらに、直線に沿って切ることができるようになったら、今度は緩やかな曲線に沿って切る練習を行うと、形を切り抜くことに一歩近づくでしょう。
このように、活動内容を段階で分けたり分解してその子のできることとできないことを見ていきます。