5歳児の言語表出

【5歳】しりとりができることについて|子供の言葉の発達

公開日:2025年11月24日


 
 

しりとりをできること

 5歳頃は、しりとりができる時期と考えられます。

 この頃の子供は、言葉の音の構成に着目でき、ある単語の最後の音から別の単語を想起できるようになります。

 このような言葉の音に着目した力を「音韻意識(おんいんいしき)」と言います。

 
 
 

解説

発達の概要

 しりとりができるようになるのは、言語発達における音韻意識の発達が進んできた証拠です。
 音韻意識とは、言葉を構成する音の単位に気づき、操作できる力のことを指します。

 5歳頃の子供は、三語文や四語文を言えるだけでなく、言葉の音の配置に着目できるようになります。

 しりとりは、「りんご」の「ご」から「ごりら」と続けるように、言葉の末尾の音を聞き取り、次の言葉の初頭音へつなげる作業を必要とします。
 この過程で、子供は音の系列を意識し、音の一致や相違に気づく力を育てていきます。

 そのため、しりとりができるということは、単なる遊び以上に、言語の構造を理解する基盤が整ってきたことを意味します。

 
 

できないときの対応

 しりとりが難しい場合は、音韻分解や音韻抽出などの学習が有意義と考えられます。

 音韻分解とは、言葉を一つ一つの音に分ける練習であり、「ねこ」を「ね」と「こ」に分けるような活動です。

 一方、音韻抽出は、言葉の中から特定の音を聞き取る練習であり、「さかな」の最初の音は「さ」であることを意識させます。

 これらの学習を通して、子供は音を聞き分け、操作する力を高めていきます。
 さらに、日常生活の中でリズム遊びや手拍子遊びを取り入れることで、音の感覚をより楽しく育むことができます。

 
 

できたとき次にすること

 しりとりを習得できたら、文字数を指定したしりとりや、指定した文字で終わる言葉を考える遊びなどが次の学習として考えられます。

 たとえば、「三文字の言葉でしりとりをしよう」「最後が『か』で終わる言葉を探そう」といった課題を出すことで、より複雑な音や語彙の操作力を育てることができます。

 また、文字の形や読み方に興味を持ち始める時期でもあるため、平仮名カードや絵本を使って音と文字を結びつける活動も有意義です。
 このように、しりとりを通して音韻意識が高まると、今後の読み書きの基礎力にもつながります。
 遊びの中で言葉のリズムや音を楽しむことが、学びへの第一歩となります。

 
 
 

参考資料

『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧

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