可逆文・非可逆文とは?
可逆文(かぎゃくぶん)とは、語や助詞を入れ替えても不自然にならない文のことです。
たとえば「男の子が女の子を追いかける」という文は、「女の子が男の子を追いかける」のように語をれ変えても(意味は変わりますが)文としては不自然ではありません。「男の子を女の子が追いかける」とした場合でも、同様に文としては不自然ではないでしょう。
これに対し、非可逆文(ひかぎゃくぶん)とは、語や助詞を入れ替えると不自然になる、つまり逆にすることが可能でない文のことです。
たとえば「お母さんが食器を洗う」という文は、「食器がお母さんを洗う」や「お母さんを食器が洗う」とすると不自然です。
このように、可逆文と非可逆文の違いは、語や助詞を入れ替えても文が成り立つかという点です。
解説
可逆文の性質や例
可逆文は、対格を示す語が生物の場合に成立しやすいでしょう。
対格を示す語とは、助詞「を」がつく語のことです。
「男の子が女の子を追いかける」という文において、「を」が付くのは「女の子」です。
また、主格(「が」がつく語)は「男の子」であり、この文は主格・対格どちらを示す語も生物と言えます。
ゆえに「男の子が女の子を追いかける」「女の子が男の子を追いかける」と語の入れ替えが可能です。
可逆文は語を入れ替えても不自然にはなりませんが、文の意味は変わります。
「男の子が女の子を追いかける」「女の子が男の子を追いかける」は、意味が異なり追いかけている人物が異なります。
このように、可逆文は助詞を理解していないと正確に文の意味を理解することができません。
非可逆文の性質や例
非可逆文は、対格を示す語が無生物の場合に成立しやすいでしょう。
「お母さんが食器を洗う」という文において対格を示す語(「を」が付く語)は「食器」であり、無生物です。
冒頭で述べた通り、非可逆文は語を入れ替えると不自然な文となります。
「食器がお母さんを洗う」という文は、日常では成立しない不自然な文と言えます。
これは非可逆文は可逆文と比べると、助詞の理解をそこまで求めない文とも言えます。
つまり、子供が助詞について学習する場合、例文が可逆文か非可逆文か指導者側が着目することは重要と言えるでしょう。
参考資料
斉藤佐和子(2002)『健常幼児の格助詞と態の表出 ―構文検査 (斉藤私案) を使用して―』(日本音声言語医学会)2025年12月28日閲覧


