学級経営における集団活動の重要性
学校生活の意義の1つとして、集団での人間関係を学ぶことがあると考えられます。
勉強をしたり大人(教師)と関わるだけでなく、集団の中で人間関係を経験することは、子供にとって重要な機会の1つと言えるでしょう。
解説
学級集団のタイプ
早稲田大学の河村茂雄は、学級の状態を「満足型」「管理型」「なれあい型」「荒れ始め型」「崩壊型」といったタイプに分類しています。
学級集団は個人が尊重されつつも集団としてのまとまりがある「満足型」が望ましいと考えられます。
このためには、近年推奨される「アクティブ・ラーニング(主体的・対話的で深い学び)」にあるような、所属意識を育みつつも子供達が主体的に学べるような学級経営が必要になります。
集団活動のポイント
集団活動を行う上でのポイントとしては、以下のようなものが考えられます。
- 活動の目標を全員で考え共通の理解を持つ。
- 目標達成のための方法を全員で話し合い、協力できる。
- 一人ひとりが役割を持つ。それぞれに役割があることを全員が理解する。
- 活動の目標を振り返り、次回に活かすことができる。
- 自発的な思いやりを尊重し、心理的な結びつきを強める。
- 所属意識や連帯感を育む。
- 互いの良さを認め、自由な意見交換や相互的な関係が助長される。
このため担任教師は生徒と相互信頼・相互尊敬できる民主的な司会者として、生徒と関係を築く必要があると考えられます。
参考資料
河村茂雄、武蔵由佳(2008)『学級集団の状態といじめの発生についての考察』(日本教育カウンセリング学会)2024年6月8日閲覧
小野寺正己(2020)『学級状態の違いが学習意欲及び学力に及ぼす影響の縦断的検討』(日本学級経営心理学会)2025年8月30日閲覧
松﨑学、瀬尾七恵、鈴木英子(2016)『小学校における「満足型」学級づくりへの試み―Q-Uアンケート結果の共有と問題解決支援を中心に―』(日本教育カウンセリング学会)2025年8月30日閲覧