替え歌を歌うことについて
3歳頃は自分が覚えた歌を歌ったり、その歌の一部を変えていわゆる「替え歌」を歌うことができ始める時期と考えられます。
これは言葉や音の理解が成長している様子と言えます。
解説
発達の概要
定型発達の観点から見ると、3歳頃は言葉の発達により語彙が増加、文表現も盛んになる時期です。
日常生活で耳にする歌やフレーズを覚え、それを自分なりにアレンジして表現することも増えていきます。
替え歌を歌うという行為は、もとの歌詞を覚えていることが前提になります。
もとの歌詞を自分の知っている言葉に置き換えることで、音のリズムを崩さずに別の表現を行います。
これは言葉を組み合わせて文を作る文法的な力や、音の高低・テンポを感じ取る力も必要になるでしょう。
3歳頃は、一部の語を入れ替えて同じ文の型を多用する「範列的な表現」が見られる時期です。
子供は範列的な表現を経て文表現を学び、より柔軟な文表現を獲得していくと考えられます。
替え歌は、こういった範列的な表現の表れとも言えるでしょう。
また、替え歌は遊びの一種でもあり、身近な大人や友達と笑い合う中で社会的なやりとりを学ぶ機会になります。
相手が喜ぶ内容を選んだり、面白い表現を考えたりすることで、対人関係の中での「伝える力」が育ちます。
できないときの対応
歌を歌わない、替え歌がうまくできない子供に対しては、焦らずに言葉や歌を楽しむ機会・経験を設けていきましょう。
無理強いせず、まずは一緒に歌を聴いたり、リズムに合わせて体を動かしたりして楽しむことから始めていきます。
たとえば、大人が歌う途中で簡単な単語を変えてみせることは良い刺激になるかもしれません。
子供が異なる歌詞を歌ったときも、「間違い」として指摘するのではなく、発想を受け入れる姿勢も大切です。
音楽的な正確さよりも、発想や楽しむ気持ちを育てることが、発達を支えることになるでしょう。
できたとき次にすること
替え歌を歌えるようになったら、「自分で歌やお話を作る」活動も有意義でしょう。
これは創造的思考や構成力をさらに伸ばす学習につながります。
たとえば、身近な出来事をもとに簡単な歌を作ったり、絵本の一場面に自分なりの歌をつけてみたりすることです。
こうした活動は、言葉を筋道立てて使う力や、感情を音や言葉で表現する力を深めます。
また、他者と一緒に歌を作る経験は、協調性や思いやりを育てる土台にもなります。
このように、3歳児が替え歌を歌うことは、単なる遊びではなく、発達を促す知的な活動と言えるでしょう。
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧



