詳細に説明する力
5歳頃は、物事を時系列に沿って詳細に説明できる時期と考えられます。
この頃の子供は、出来事を順序立てて整理しながら、一連の流れを相手に分かるように詳しく話す力が発達していきます。
解説
発達の概要
5歳頃になると、言語の理解力・表現力の成長に伴い出来事を時間の流れに沿って比較的詳しく伝えることが可能になります。
4歳頃にも「朝ごはんを食べて、幼稚園に行った」などの簡単な時系列の説明はできますが、内容は短く、細かい描写はまだ難しい段階です。
しかし5歳頃になると、「朝ごはんにママとパンを食べて、ジュースを飲んでから幼稚園に行った。そのあと公園ではるなちゃんとすべり台で遊んだ」など、一つ一つの出来事をより具体的に話すことができるようになります。
これは語彙が増えるだけでなく、文法構造の理解が進み多語文の表現、さらには複数の文をつなぐ力が育つためです。
また、経験した出来事を順序立てて思い出す記憶の整理力も高まり、自分の経験を他者に伝える力が豊かになります。
このような発達は、家庭での会話や読み聞かせ、日常のやりとりによって促されることが多く、言葉を通して思考する力の土台となります。
できないときの対応
5歳児が物事を詳細に説明できることが難しい場合は、まずは時系列に沿って話すことを意識づける学習が有意義と考えられます。
そのためには、出来事を順番に整理する練習を取り入れることが効果的です。
たとえば、「朝、何をした?」「そのあと何をした?」といった質問を大人が投げかけ、話す順番を一緒に確認していくことが有効です。
また、絵カードを使って出来事を並べ替えたり、写真を見ながら順に説明したりする活動も、時系列の理解を深めます。
子供が焦らずに話せるように、大人が「順番に思い出すこと」を褒める姿勢を持つことが大切です。
言葉の表現が難しい場合は、動作やジェスチャーを交えても構いません。
こうした経験を積み重ねることで、やがて自分の言葉で出来事を整理して話せるようになります。
できたとき次にすること
5歳児が詳細に説明できることを習得できたら、今度は出来事を適切に要約し、相手に分かりやすく伝えることを目指すと良いでしょう。
詳細に話す力を身に付け、十分な量と内容を確保したら、今度は必要な情報を取捨選択し、相手が理解しやすい形にまとめる練習となります。
たとえば、「今日は公園で何をして楽しかった?」と質問し、印象に残った一場面を選んで話す練習が効果的です。
また、絵本の内容を短く言い換えたり、出来事を三つの要点に絞って話したりする活動も有効です。
こうした力は、就学後に求められる説明力や作文力の基礎となり、相手を意識したコミュニケーションの力を育てます。
5歳頃の「順に詳しく話す力」は、将来の「分かりやすくまとめる力」へと発展していく大切なステップと言えます。
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧



