顕在性不安尺度(MAS)とは?
顕在性不安尺度とは、その人が持つ不安を客観的に評価する質問紙です。
顕在した不安についての尺度、つまり「Manifest Anxiety Scale」の頭文字を取り「MAS」と表記されます。
MASは不安障害の評価方法の1つです。
解説
位置付け
日本めまい平衡医学会の論文において、不安障害およびパニック障害の評価方法がいくつか挙げられています。
不安障害の評価方法は様々ありますが、このうち不安の程度を総合的にスクリーニングできるものの1つがMASです。
質問紙の概要
MASは「ミネソタ多重人格検査(MMPI)」から質問項目を抽出した検査です。
MMPIから身体面・精神面に表出される慢性不安定反応を測定する質問項目を抽出しています。
MASはMMPIから抽出した50項目、妥当性尺度(理想的だが実行困難な行動の質問)の15項目を合わせた全65項目で構成されます。
項目はこれらがランダムに構成されているため、結果を予測して回答するなどのバイアスの影響を受けにくくなっています。
不安には、状況によって変化する情動反応である「状態不安」と、個人の傾向として一定して感じる「特性不安」があります。
MASは特性不安を計測する質問紙になります。
MASの解釈
回答は「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3種類で回答していきます。
MASは実施すると採点結果から得点分布や平均点を健常者・神経症者のデータを用いて評価することができます。
日本語版の場合、男性で23点以上、女性で26点以上が高度の不安と判定されます。
疑問点や無回答が10以上の場合、結果に信頼性がないと解釈されます。
また妥当性尺度が11点以上の場合は妥当性がないと判断されます。
参考資料
井上幸紀(2025)『シリーズ教育講座「めまい診療に有用な自覚的評価指標」 5.不安,パニック症』(一般社団法人 日本めまい平衡医学会)2025年9月15日閲覧


