強迫性障害(OCD)とは?
強迫性障害(OCD)とは、強い不安から特定の行動を過度に繰り返してしまう疾患のことです。
強迫観念(きわめて強い不安・不快感)と、強迫行為(強迫観念を打ち消すための行為)が特徴と言えます。
言葉は似ていますが「強迫性パーソナリティ障害(OCPD)」とは別の疾患です。
解説
強迫性障害の症状
先述の通り、強迫性障害は強迫観念からの強迫行為が見られます。
具体的には「手が汚れている気がして何度も事あるごとに手を洗わないと気が済まない」などです。
他には、「家の鍵を閉めたかどうか不安になり、何度も何度も確認をしてしまう」なども典型的な症状です。
強迫性障害の分類
強迫性障害は不安障害の一種であり、鬱病や全般性不安障害と同じグループに属します。
人の性格を5つの因子(神経質傾向・外向性・開放性・誠実性・調和性)で表すビッグファイブ理論において、強迫性障害は神経質傾向と関係していると考えられています。
ネガティブな情動に反応してしまう神経質傾向の高さが、強迫性障害に関連していると考えられます。
また、諸説ありますが、強迫性障害は強迫行為という一種のルーティンから抜け出せないことから誠実性の低さを背景の1つとする考え方もあります。
強迫性障害は以上のような経緯から、治療ではセロトニン作動性抗うつ剤などが選択肢に入ります。
強迫性パーソナリティ障害と違い
冒頭で述べた通り、「強迫性障害」と「強迫性パーソナリティ障害」は異なった疾患です。
強迫性パーソナリティ障害は極度の完璧主義・柔軟性のなさを伴う精神疾患です。
性格因子としては高すぎる誠実性が関係しています。
このため強迫性障害とはある意味で真逆の疾患とも言えます。
ビッグ・ファイブ理論とは?
参考資料
ダニエル・ネトル(Daniel Nettle)(著)、竹内 和世(翻訳)『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』白揚社、2009年