はじめに
心の理論の理解を見る誤信念課題には、
「一次的誤信念課題(標準誤信念課題)」と
「二次的誤信念課題」があります。
一次的誤信念課題は、「Aさんは~と思っている」という理解を問われます。
二次的誤信念課題は、「Aさんは~とBさんは思っている」という理解を問われます。
構造上、一次的誤信念課題よりも二次的誤信念課題のほうが難しい課題になります。
以下、一次的誤信念課題の例題です。(正式な検査ではなく、あくまで練習用の例題なのであしからず。)
心の理論の例題
問題
5歳のユキは姉のメグミと2階の子供部屋で遊んでいました。
ままごとをしていましたが、今度はトランプがしたくなりました。
「リビングのおもちゃ箱から取ってくるね」メグミは言い、1階のリビングに向かいます。
リビングに来たメグミでしたが、トランプはこの前の家族のキャンプで使い、庭の倉庫に入れっぱなしであったことを思い出します。
メグミは庭の倉庫へ行きました。
一方、ユキはトランプではなくやっぱりお人形遊びをしたくなったので、そのことをメグミに言いたくなりました。
ここからユキは、どこに行くでしょう?
ユキは、姉のメグミがどこにいると思っているでしょう?
解説
この問題の答えは、
「ユキは姉がリビングにいると思っておりリビングに向かう」
になります。
実際メグミは庭の倉庫にいるのですが、そのことをユキは知りません。
このためメグミがユキに言った「リビングのおもちゃ箱から取ってくるね」という情報を基に、ユキはメグミがリビングにいると考えます。
物語を聞いている人からすればメグミが倉庫にいることは明らかです。しかしそれは物語を俯瞰して見ることができる解答者の目線であり、ユキの目線ではありません。
ユキが何を知っていて、何を知らなかったのか。それらから同物事を判断するのか。ユキの立場になった類推が必要になります。