理由を説明できる力
5歳頃は、日常生活に関する簡単な「どうして?」という質問に理由を答えられるようになる時期と考えられます。
たとえば、「どうして歯磨きをしないといけないのか?」という問いに対して「虫歯になるから」などです。
この時期の子供は、身の回りの出来事に対して因果関係を理解し始め、自分の考えを言葉で伝える力が深まっていきます。
解説
発達の概要
言語発達の観点から見ると、5歳頃は多語文をつなげて自分の意図を説明することができるようになっていきます。
この時期には、「なぜ」「どうして」といった質問に対して簡単なものであればその理由を答えることができていきます。他者との対話の中で考えを整理し、言葉による論理的思考の基礎を築きつつあると言えるでしょう。
ここで言う理由とは、表面的なものではなく、ある程度本質的なものを指します。
たとえば「どうして赤信号で渡ってはいけないのか?」という問いに対して「しないといけないから」「しないと怒られるから」といったものではなく、「車が来てぶつかるかもしれないから」と言えるなどです。
このように、5歳頃の「理由を言える」力は、言語能力だけでなく思考力や社会性の発達とも深く関わっています。
できないときの対応
5歳児が「どうして」という質問に対して理由を言うことが難しい場合、日常生活の中で理由を一緒に考える機会を増やすことが大切です。
たとえば「なぜ手を洗うのか」「なぜ片づけるのか」など、身近な行動の意味を親子で話し合うことで、子供は「行動には理由がある」という考え方を自然に学びます。
また、行動の理由を大人が一方的に伝えるのではなく、「あなたはどう思う?」と問いかけることで、子供自身の思考を引き出すことができます。
さらに、絵本の読み聞かせやごっこ遊びを通して「登場人物はどうしてそうしたのかな?」と考える経験を重ねることも効果的です。
このような体験を積み重ねることで、「因果関係を理解して説明する力」や「自分の考えを言葉で表す力」が育ち、「どうして」か理由を言う練習などの学習が有意義と考えられます。
できたとき次にすること
5歳児が「どうして」か理由を言うことを習得できてきたら、自分の考えや感じたことをより具体的に言葉で表現する練習へ進むことが大切です。
たとえば「どうして好きなの?」と聞かれたときに「楽しいから」だけでなく「友達と一緒にできてうれしいから」など、自分の気持ちが伴った説明ができるるとより有意義でしょう。
また、他人の意見を聞いたうえで「自分はこう思う」と考えを述べる練習を通して、思考の幅や対話力も育ちます。
家庭や園での話し合い活動、簡単な理由づけを含む作文遊びなども次の学習として考えられます。
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧



