子供が先に走って行ってしまうとき
例えば学校でみんなで列を作って歩く場面で一人だけ走って行ってしまう。
例えば親子で買い物をしているときに、何度言っても一人ですたすた勝手に走って行ってしまう。
年齢や発達の背景にもよりますが、他者と一緒に歩くということができない・習慣化されていない子はしばしばいます。
多くの場合、こういった状況に対して怒鳴ってみても改善しないことが多く、その子の習慣を変えていかなければ難しいです。
応用行動分析(ABA)を基に、こういった場合のアプローチの例を考えます。
走って行ってしまう子へのABA的アプローチ
一緒に歩くことの再確認
先に一人で歩いて行ってしまう子の場合、一緒に歩くことの重要性をわかっていない場合があります。
一緒に歩くという概念に意識が向いていない場合があります。
一緒に歩くということは、安全のためであること。
一緒に歩くということは、相手の横あるいは後ろでその距離を保つということ。
今は一緒に歩く時間であること。
これらを改めて確認します。
一緒に歩く練習
一緒に歩くということ自体を意識し練習する時間を設けることも大切です。
一緒に歩き、もし子供が途中から先に行ってしまったときは、一緒に歩けた最後の地点まで戻ってから再び一緒に歩きます。
こうして所定の距離を最初から最後で一緒に歩けたという経験を積みます。
成功経験を積む場合、途中途中で修正を入れるのではなく「最初から最後まで正しくできた形」を積み上げることがABAのポイントの1つです。
一緒に歩けたことを褒める
一緒に歩きながら褒めることも大切です。
できなかったことを叱るのではなく、できたことを褒めることはABAアプローチの基本になります。
「○○君と一緒に歩けると嬉しいよ」と時間を共有したり、一緒に歩きながら子供がしゃべってくれればその話を聞いて褒めたりします。
その子にとって誰かと一緒に歩くことが意味のある楽しい経験になるよう工夫します。
「あそこまで一緒に歩こうか。上手に気をつけて歩けたら、そこのお菓子コーナーで一緒にお菓子を見ようか」
親子での買い物なら、そういった働きかけも有効かもしれません。