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助詞「を」の獲得と文のパターン
前のページにて、助詞「を」の使用は有対他動詞か無対他動詞かで難易度が異なることを述べました。
このページでは、実際に助詞「を」を使用する文のパターンを見ていきます。
なお、文には「可逆文」と「非可逆文」があります。
「男の子が女の子を叩く」(可逆文)
「男の子が魚を食べる」(非可逆文)
助詞や語が入れ替わっても不自然でないのが「可逆文」、不自然なのが「非可逆文」です。
(例えば「男の子が女の子を叩く」は「男の子を女の子が叩く」としても不自然ではありません)
解説
無対他動詞だが可能動詞がある非可逆文
無対他動詞の中には、(ペアの自動詞はありませんが)可能動詞があるものがあります。
可能動詞とは、「~できる」の意味を持つ動詞です。
例えば「書く」という他動詞には「書ける」という可能動詞があります。
「ジュースを飲む」という文は、無対他動詞ですが対応する可能動詞を持つ非可逆文と言えます。
無対他動詞だが可能動詞がある可逆文
上記に対し、「男の子を叩く」は「男のが叩く」としても文としては自然です。
無対他動詞ですが対応する可能動詞を持つ可逆文と言えます。
有対他動詞の非可逆文
動詞の内、ペアとなる自動詞がある他動詞を「有対他動詞」と言います。
例えば「割る」は有対他動詞です。(自動詞が「割れる」、他動詞が「割る」となります)
「卵が割る」
「卵を割る」
上記の例は、「が」を用いると不自然になる有対他動詞の文です。
このような文は、有対他動詞を用いた非可逆文と言えます。
有対他動詞の可逆文
これに対し、有対他動詞を用いた可逆文もあります。
例えば「起きる」は自動詞であり、「起こす」は他動詞です。
「男の子が起こす」
「男の子を起こす」
このように、名詞と他動詞の組み合わせによっては、「が」「を」どちらでも他動詞で自然な文を作ることができます。
まとめ
以上のように、助詞「を」の難易度は他動詞の性質と文の構造(可逆文・非可逆文)によって異なっていきます。
ここまでを踏まえ、次のページで助詞「を」の獲得における難易度を整理していきます。
参考資料
斉藤佐和子(2002)『健常幼児の格助詞と態の表出 ―構文検査 (斉藤私案) を使用して―』(日本音声言語医学会)2025年12月28日閲覧
池弘子(1982)『助詞の習得過程』(一般社団法人 日本教育心理学会)2025年12月31日閲覧



