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辛い物は何歳からどのくらい?
子供に辛い物は何歳くらいからどのくらい食べさせていいのでしょう?
まず前提として、
子供の香辛料の摂取に関する明確な基準はありません。
これは辛い物は摂取量を自分で比較的コントロールしやすい食べ物であることに起因します。
砂糖と唐辛子、どっちがついつい食べ過ぎてしまうかを考えると想像に難くないと思います。
辛い物は本人が食べられる量なら食べればいいし、無理なら食べなければいい。
これが大前提になります。
とはいっても、何か目安があるとわかりやすいですよね。
あくまで目安ですが、
辛い食べ物は子供が食べたい場合に限り2歳以降から。
感覚としては大人が食べる辛さの半分程度の味付けにすると無難かと思います。
以下、これらの根拠を。
「辛さ」とは?
辛さの種類
一口に「辛さ」と言ってもいろいろありますね。
「塩辛い」という塩分の多さも「辛さ」ですし、「わさび」のような揮発性のある「辛さ」もありますね。
そんな辛さの中で一般的なのがやはり唐辛子の辛さなのではないでしょうか?
唐辛子の辛さは主にカプサイシンという成分によるものです。
つまりカプサイシンの摂取量や許容量について考えることが辛さの対象年齢を考えることにつながります。
辛い物を食べ過ぎるとどうなる?
まず前提としてカプサイシンの過剰摂取、つまり辛い物を食べ過ぎると具体的にどのように体に悪いのでしょうか?
農林水産省の調査によると、
カプサイシンの過剰摂取は流涙症、鼻液漏、排尿障害、胃食道逆流症などを引き起こします。
また、辛い物が苦手だったり感受性の高い子供などは粘膜炎症、吐き気、嘔吐、高血圧などを引き起こす場合もあります。
1食あたりの辛さ(カプサイシン)摂取量
辛い物の過剰摂取はやはり健康には良くないようですね。
しかしながら、冒頭で述べた通り辛さは自分で調整しやすい味覚です。
FAO/WHO合同食品添加物専門家会議によると、
カプサイシンは自分で摂取を充分コントロールできる香辛料であるという点から1日の許容摂取量を特に定めはしませんでした。
これが1970年のこと。
時は流れ2011年。そうは言っても昨今の激辛料理などの流行もありカプサイシンのリスク評価を考えるべきではとドイツ連邦リスク評価研究所が調査を行いました。
その結果、
大人の1食あたりのカプサイシン摂取量を最大5mg/kg bwと定めました。
つまり1食のカプサイシン摂取の目安は自分の体重×5mgということです。
子供における「辛さ」
子供の場合の摂取量は?
大人の場合は1食あたりのカプサイシン摂取量は最大5mg/kg bwを推奨。
しかしドイツ連邦リスク評価研究所は子供の場合の摂取量は調査が困難であったため発表していません。
しかしながら、少なくとも100mg/kgを超えるカプサイシンが入っている食品については容器に辛さの注意書きを書き、少量ずつ出る容器に入れて子供の摂取は十分注意することを推奨しています。
ちなみに100mg/kgを超えるカプサイシンが入っている食品とは日本の場合例えばタバスコなどが該当します。
離乳食の完了と香辛料
厚生省の離乳食に関するガイドラインによると、
離乳食の完了時期は1歳半頃が一般的です。
もちろん離乳食が完了しても最初は基本は薄味。離乳食完了後すぐに大人と同じ食べ物を食べさせていいわけではありません。
しかしながら、少なくとも2歳頃までは香辛料や辛い物を使用する必要はなさそうです。
辛い物を食べさせたいなら、基本は2歳以降を考えたほうが無難でしょう。
離乳食についてもっと詳しく:離乳食はどのように進めたらいいですか?
1日当たりの調味料・香辛料の摂取量
厚生労働省による「国民健康・栄養調査結果の概要」によると、
1~6歳の1日当たりの調味料・香辛料の摂取量は54gだそうです。
また、20~29歳の場合は91.4g。
もちろん食べる総量自体が違うので一概には言えませんが、
少なくとも子供は大人の半分程度の調味料・香辛料を摂取していることがわかります。
このように考えると、香辛料は大人の半分程度の量に留めておくと無難だと考えられます。
まとめ
以上を踏まえてまとめると、
・基本は子供が食べたい辛さで。無理強いはしない。
・辛さに対する感受性は個人差があるので本人の体調をよく見る。
・離乳食が完了する1歳半以降くらいまでは香辛料は使わなくてもいい。
・2歳以降に香辛料を使いたいなら、1食あたりのカプサイシン摂取量を2.5mg/kg bwにすると無難。
・タバスコなどカプサイシンの量が100mg/kgを超えるものは与えないか、ごく少量ずつにする。
という内容になるかと思います。
その他の記事
参考資料
『Ⅱ離乳編』(厚生労働省)2018年1月6日検索
『カプサイシンに関する詳細情報』(農林水産省)2018年3月8日検索
『平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要』(厚生労働省)2018年4月22日検索