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助詞「が」と自動詞の関係
前のページまでで、可逆文と非可逆文、自動詞と他動詞というそれぞれの要素について見ていきました。
このページでは、助詞「が」を用いる際に、自動詞と可逆文・非可逆文がどのように組み合わさるかを見ていきます。
解説
無対自動詞の文
動詞の内、自動詞しかないものを「無対自動詞」と言います。
例としては「立つ」「走る」「座る」「泣く」「泳ぐ」などがあります。
つまり、「男の子が立つ」などは無対自動詞を使った文と言えます。
そして無対自動詞を使った文は、「を」をつけると不自然になります。
ほぼほぼ、助詞「が」しか用いない文と言えます。
有対自動詞の文(対応する他動詞による非可逆文)
自動詞には、ペアとなる他動詞が存在する場合もあります。これを有対自動詞と言います。
有対自動詞を使った文は「を」をつけると不自然ですが、対応する他動詞を使えば「を」で自然な文を作れます。
例えば自動詞「割れる」の他動詞は「割る」です。
このため、「卵が割れる」という文を「卵を割れる」とすると不自然ですが、「卵を割る」のように他動詞に変えることで自然な文を作れます。
しかしながら、「卵を割る」は「卵が割る」とすると不自然です。
これらは、対応する他動詞で表現すると非可逆文になるケースと言えます。
動詞を変化させると「を」を使えますが、入れ替えはできない文です。
有対自動詞の文(対応する他動詞の可逆文)
対応する他動詞を用いて、可逆文を作れるケースもあります。
例えば自動詞「起きる」の他動詞は「起こす」です。
このため、「男の子が起きる」という文を「男の子を起きる」とすると不自然ですが、「男の子を起こす」と他動詞を用いると自然な文を作れます。
さらに、
「男の子を起こす」
「男の子が起こす」
のように「を」「が」どちらも自然になります。
自動詞を使った文の中には、対応する他動詞で可逆文を作れるものがあります。
最も「が」の使用に迷いが生じやすい文と言えます。
まとめ
まとめとして、以下のことが言えると考えられます。
- 無対自動詞の文はほぼ「が」しか用いないので比較的わかりやすい。
- 有対自動詞の文(他動詞だと非可逆文になる場合)は、ペアの動詞が想起されると「が」か「を」か迷う可能性がある。
- 有対自動詞の文(他動詞だと可逆文になる場合)は、意味も通るためペアの動詞が想起されるとさらにややこしい。
端的には、助詞「が」を使用する場合は無対動詞のほうが課題文としては簡単であると言えます。
次のページでは、他動詞について見ていきます。
参考資料
斉藤佐和子(2002)『健常幼児の格助詞と態の表出 ―構文検査 (斉藤私案) を使用して―』(日本音声言語医学会)2025年12月28日閲覧
池弘子(1982)『助詞の習得過程』(一般社団法人 日本教育心理学会)2025年12月31日閲覧



