人権に関する9~12歳の性教育
性に関することは性行為だけではありません。
恋愛や結婚は他者とのコミュニケーションが発生するでしょうし、ハラスメントや性的搾取から自身の身を守ることも大切な性教育です。
このように性教育は人権の理解と尊重が重要です。
9~12歳児を対象にした性教育においては、基本的な人権を学びつつ、性に関わる文化や価値観を学んでいきます。
性に関わる文化とは恋愛や結婚、ジェンダーの平等など幅広い文化を指します。
性教育のエビデンス(科学的根拠)
国際的な流れとして、性教育は性行為に関する知識だけでなく、ジェンダー平等や性の多様性といった人権尊重を基盤にしたものが主流となりつつあります。
このような性教育を「包括的性教育」と言い、このガイドラインとしてユネスコによる「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」があります。
包括的性教育は人権尊重を基盤にしているため、言い換えれば自身の人権を正しく主張し守ることの大切さが随所に見られます。
包括的性教育において、人権に関しての9~12歳のカリキュラムを挙げていきます。
学習の要点
人権について
- 人権がすべての人に適用されることを的確に認識する
- 普遍的な人権について国際的なルールや国の法律について学ぶ
- 国際的なもの国内的なもの含め、子供の権利(世界人権宣言、子どもの権利条約など)について学ぶ
セクシュアリティについて
- 文化、宗教、社会がセクシュアリティの理解にどのように影響しているのかを学ぶ
- 異なる文化を超えて行われる、様々な成人への通過儀礼を知る
- セクシュアリティに関する多様な信条があることを認識する
- セクシュアリティに関わる文化的、宗教的、社会的信条や慣習が時代によって変化してきたことを知る
※「セクシュアリティ」という言葉の定義は様々ですが、ここでは性に関わる人間の活動全般を指す意味合いで考えます。
包括的性教育について
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索
『HIV/AIDSについて(ファクトシート)』(厚生労働省検疫所)2021年12月18日検索
『PrEPって?』(国立国際医療研究センター SH外来)2021年12月18日検索
『抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)』(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)2021年12月18日検索