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性的暴力やDV、性的搾取のメディアに関する9~12歳の性教育
性教育において性的暴力から身を守ることを学ぶことは大切です。
ここで言う性的暴力とは、性的なメディアに不適切に触れることも含むでしょう。
これらについて5~8歳の性教育では「からだの権利」について学びました。
9~12歳児を対象にした性教育においては、性的な暴力にはどんなものがあるのかを具体的に考えていきます。
つまり虐待やDV、性的に露骨なメディアなどです。
性教育のエビデンス(科学的根拠)
国際的な流れとして、性教育は性行為に関する知識だけでなく、ジェンダー平等や性の多様性といった人権尊重を基盤にしたものが主流となりつつあります。
このような性教育を「包括的性教育」と言い、このガイドラインとしてユネスコによる「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」があります。
上記を参考に、9~12歳児を対象にした(人権尊重を含む)性教育について考えます。
学習の要点
性的虐待について
- 性的虐待(レイプ、近親者による性暴力、ネット上での性的搾取、セクシュアルハラスメント、ネットも含めたいじめなど)の具体例を知る
- 性的虐待は違法であり、被害を受けた人を支えてくれる公の機関やサービスがあることを知る
- もしも性的虐待の被害に自分があったとき、助けを求める様々な方法を実際に知る
ドメスティックバイオレンスについて
- 親密なパートナーからの暴力は間違った行為であることを知る
- 家庭内暴力を見た子供がサポートを受けることは大切なことであることを認識する
- そのような暴力を家庭内で経験した場合に、信頼できる大人にアプローチする方法をはっきりと示す
性的プライバシーについて
- 望まない性的な扱われ方は何かを知る
- 男女問わず、望まない性的な扱われ方は、プライバシーと自らの身体を自分で決める権利の侵害であると認識する
- プライバシーを守り、望まない性的扱われ方に対抗するために、アサーティブ(相手も尊重した自己主張)に伝える
インターネットやソーシャルメディアについて
- インターネットやソーシャルメディアの利点と危険性について具体例を知る
- インターネットやソーシャルメディアの使い方には慎重であることの重要性を認識する
- ソーシャルメディアにおいて、どんな情報を誰と共有するかについて、その決め方やルールを具体的に考える
性的なメディアについて
- 性的に露骨なメディア(ポルノグラフィティ)、セクスティングとは何かを学ぶ
- 性的に露骨なメディアは、男性・女性・性的関係の誤った描き方をすることで人を誤解させる可能性があることに気づく
- 性的に露骨なメディアやセクスティングについて、不快や不適切な状況に遭遇したときに信頼できる大人に伝える方法を知る
包括的性教育について
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索
『HIV/AIDSについて(ファクトシート)』(厚生労働省検疫所)2021年12月18日検索
『PrEPって?』(国立国際医療研究センター SH外来)2021年12月18日検索
『抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)』(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)2021年12月18日検索