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音の弁別練習の準備段階
構音訓練の前段階として、音に対する反応形成を行っていきます。
簡単な遊びを通して、指導者が特定の音を出したときにスムーズに反応してもらう習慣を作っていきます。
解説
意義・意図
構音訓練では発音するための口の動きの練習と同じくらい、正しい音を聞き分ける耳の力が重要です。
例えば「かみ(紙)」が「たみ」になる、つまりカ行が言えない子の構音訓練を行うとします。
この際、指導者が言っている音が「か」なのか「た」なのか、自分が言っている音が「か」なのか「た」なのか自分で判断できなければ練習ができません。
正しい音を聞き分けられる耳の力がなければ、正しい発音を定着させることは難しいでしょう。
このため構音訓練では口の動きの練習と併行して必ず音を聞き分ける練習を行います。
音を聞き分ける練習の前段階が、特定の音に反応することの練習です。
指導者が言った特定の音に対して特定の反応をする。
こういったゲームを通して音を意識して聞き分ける習慣形成を目指します。
また、指導者の言った言葉を集中して聞くという机上課題への集中力の促しも兼ねていると言えるでしょう。
構音訓練は子供が指導者の指導をよく聞いて集中して行うことが重要です。
このため遊びやゲームを通して「指導者が今なんと言ったのか」を子供がよく聞く習慣を作っていきます。
方法・内容
鳴き声ゲーム
例えば犬と猫の絵カードを準備して、指導者が「わん」と言ったら犬、「にゃん」と言ったら猫のカードを指差してもらいます。
このようにして、指導者が言った音を注意深く聞く姿勢を養います。
音で身体を動かすゲーム
例えば指導者が声「ぴっ」と声を出したり、あるいはおもちゃの太鼓を叩くなどして特定の音を出します。
子供は指導者が音を出したときにその場でジャンプします。
指導者が出す特定の音に対して、特定の動作をする練習です。
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参考資料
湧井豊『構音障害の指導技法-音の出し方とそのプログラム-』学苑社、1992年