クレーン現象

クレーン現象とは? 定義と特徴|子供の成長と発達障害

公開日:2021年11月25日


 
 

クレーン現象とは?

 「クレーン現象」あるいは「クレーン行動」とは、他者の手を道具のように使って自分の要求を達成する行為です。

 例えば外に出たいけれど自分では鍵を開けることができない子供が、大人の手を引っ張り鍵穴に近づけ、ドアを開ける催促するような行為です。

 クレーン現象は行為としては有名なものの定義としてはやや曖昧な側面もあります。
 発達障害、特に自閉症スペクトラム障害において特徴的な症状であるクレー現象ですが、広い定義で考えると健常児にもクレーン現象は見られる行為です。

 
 
 

解説

クレーン現象の定義

 クレーン現象の定義は厳密には決まっていないものの、日本特殊教育学会などの論文を参考にすると以下のような内容が考えられます。

  • 他者の手や指を道具的に用いる
  • 意図的な行動ではあるが、他者へ自分の意図を伝えるという対人意識が不十分である
  • 対人意識が理解されたとしても、その発達途上では一過的に用いられることもある

 このようにクレーン現象は相手の手を道具的に使っていることがポイントになります。

 
 

クレーン現象の特徴

 さらにクレーン現象の具体的な特徴は以下のようになります。

  • 自身の欲求を達成するために他者の手や指を道具的に用いる
  • 視線は他者の手や対象物に向いていることが多い。他者の顔を見ることが少ない
  • (言葉や指差しが出ていない子供は特に)相手の手が対象物に触れたり欲求が達成するまで手を引き続けることが多い
  • 指差しや言葉の発達に伴い減少傾向にある

 
 

クレーン現象が出現する時期(年齢)

 クレーン現象は発達障害児のみに見られる行為とは言い切れず、多少は健常にも見られます。

 クレーン現象は1歳あるいは2歳頃に見られることがあり、多くは指差しや言葉の発達に応じて減少していき、3歳頃には消失していきます。

 
 
 

参考資料

『発達障害児の「クレーン行動」に関する一考察 : 文献の展望と行動の観察例から』(一般社団法人 日本特殊教育学会)2021年9月15日検索

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