母国語と外国語の違いがわかるのはいつから?
赤ちゃんは生後4~5か月頃には母国語と外国語の区別ができるようになっていると考えられています。
以下、乳児の言語発達について取り上げていきます。
解説
母国語を外国語を区別する時期
言葉の発達に関する専門書である「言語聴覚士のための言語発達障害学」によると、生後4~5か月頃には母国語と外国語の区別ができるようになると考えられています。
もちろんこれは子供が母国語を実際に聞く経験をしていることが大前提です。
日本人だからかといって日本語を一度も聞いたことがないのであれば、日本語と外国語の区別がつくわけではありません。
言語習得のための音韻の認知
言葉にはそれぞれの音の特性があります。
例えば英語はLとRの音を区別しますが、日本語ではしません。
人間は母国語に必要な音を認知し、そうでない音を認知しない、つまり取捨選択することで言語を習得していきます。
赤ちゃんの言語習得
出生直後の新生児は、世界中の音韻を聞き分けていると考えられています。
そして母国語を聞く経験を通して、音韻の取捨選択が始まります。
子供は生まれた直後でも、経験を通して今聞いている言語が母国語なのが外国語なのかなんとなくわかると考えらています。
しかしながら、母国後に似ている外国語、つまりリズムが同様の言語については区別が曖昧でもあります。
同じリズムであっても、母国語と外国語の区別がつきはじめるのが生後4~5か月頃です。
また細かい経過としては、子供は生後6か月頃に母国語の母音を選択的に知覚するようになります。
つまり日本語の「あいうえお」の音を気にできるようになっていきます。
そして生後10か月頃には子音を選択的に知覚できるようになっていきます。
子音より先に母音の音を獲得していくことは、聞くことの発達と話すことの発達の共通点と言えます。
参考資料
『感覚器の成長・発達』(バイオメカニズム学会)2021年8月3日検索