近似的回答は何歳頃から?
「近似的回答(きんじてきかいとう)」とは、意味・内容は合っているものの正確な回答ではないものを指します。
近似的回答は3歳頃から見られる、幼児期の会話のおける特徴的な誤りの1つです。
子供の言葉の発達を見る上で、単に「言える」「言えない」だけでなくその内容を見ることは重要です。
会話のおける近似的回答の様子から、子供の言葉の発達について考えます。
解説
近似的回答について
「近似的回答」とは、意味・内容は合っているものの正確な語彙を想起できていない回答のことです。
例としては「体温計」と答える状況で「熱を測る物」と答えるケースなどです。
このように近似的回答は間違っているとまでは言えないものの、表現に不十分な点が見られます。
また、近似的回答は適切な語彙が想起できていないにもかかわらず、それを言及できていません。(つまり何が「わからない」か言えていない)
このように近似的回答は語彙の未熟さだけでなく、相互的会話という観点からも成長途中であることがうかがえます。
子供の会話の発達
子供の言葉の発達を見る検査の1つに、「質問―応答関係検査」というものがあります。
「質問―応答関係検査」は幼児期の会話の能力(質問に対する応答の力)を見る言語検査です。
この検査では幼児期の発話の特徴をいくつか挙げています。
また、質問に対する子供の誤った回答から、幼児期によく見られる特徴的な誤りの例も挙げています。
特徴的な誤りとしては「模倣」「保続」「近似的回答」などがあります。
このように、「近似的回答」は幼児期の会話における特徴的な誤答パターンの1つと言えます。
定型発達における近似的回答の時期
近似的回答は幼児期において比較的幅広い年齢で見られると考えられています。
3歳台では日付に関する言葉の想起に際して比較的見られます。
例えば「誕生日はいつ?」という質問に対して(日付を答える文脈であるにもかかわらず)「明日」と答えるなどです。
5~6歳頃になると、未習得あるいは忘れてしまった語彙を用いたい場合に比較的見られます。
例えば「砂漠」という単語を言えず「温かいところ」と言うなどです。
参考資料
『質問―応答関係検査1―検査の作成とノーマルデータ―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧
『質問―応答関係検査2―質的分析と会話能力の段階設定―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧

