今日あったことを話せる年齢は?
「今日は保育園(幼稚園)で何をしたの?」などと聞かれて、子供が「○○して遊んだよ!」など話せるのは何歳頃からなのでしょうか。
個人差は当然あるでしょうが、目安としては、
子供が今日の出来事を話せるのは4歳頃からと考えられます。
解説
質問に対して答える力の発達
幼児期の言葉の発達を見る検査、とりわけ口頭での質問に対して口頭で答える力を見る言語検査に「質問―応答関係検査」があります。
質問応答関係検査は、幼児期の会話能力を評価する検査の1つと言えます。
日本音声言語医学会の論文にて、この質問応答関係検査の作成に際したデータを見ることができます。
これには各検査項目について通過率が25%、50%、75%になった年齢がまとめられています。
子供の定型発達を考える上で通過率70%前後はよく用いられる割合であるため、通過率75%に相当する年齢は(あくまで目安ではありますが)定型発達児の傾向を知る上で比較的信憑性のある数字と言えるでしょう。
上記によると、今日保育園(あるいは幼稚園や家)で何をしたか答えることについて、通過年齢が全体の75%を超えるのは4歳頃となっています。
子供の会話能力の発達
今日の出来事を話せることは、子供が言葉で物事を説明したり報告したりすることの芽生えであると言えます。
子供ははじめのうちは言葉を(「○○食べたい」など)「要求」として使うわけですが、次第に「共感」や「伝達」といったコミュニケーションのために言葉を使うようになっていきます。
また今日の出来事を話せることは、「今」「ここ」ではない出来事を話せているということです。
この点からも、子供の認知が広がっていることがわかります。
今日あったことを家族で話すことは、シンプルですが子供の言葉の発達を促す上で大切なことと言えるでしょう。
参考資料
『質問―応答関係検査1―検査の作成とノーマルデータ―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧
『質問―応答関係検査2―質的分析と会話能力の段階設定―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧