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子供の復唱能力の発達
子供は2~3歳頃から文の復唱が可能になってくると考えられます。
復唱とは言われたことをそのまま同じように言うことです。
復唱能力は子供の言葉の発達を見る上で重要な情報の1つと言えます。
復唱能力と言葉の発達について、記憶力との兼ね合いにも触れながら見ていきます。
解説
記憶力の種類
「記憶」というのはその性質によって様々な種類があります。
そして記憶の分類の仕方は学説によって様々で、1つに定まっていないのが現状です。
記憶の分類は心理学や神経学など学問によって異なりますが、人間には(例えば親の名前のような)何年経っても覚えている「長い記憶」と、(例えばその場でパッと言われた名前や電話番号のように)その場で覚えてもすぐに忘れてしまう「短い記憶」が存在するという考え方があります。
前者は「長期記憶」、後者は「短期記憶」と呼ばれます。
人には瞬間的に覚える必要はありますが、すぐに忘れてもいい類の記憶があります。
例えば手帳に書くまでの間に頭で覚えておく予定などです。
このように、適度に忘れることができる一時的な記憶は人の生活において重要な役割を担っています。
復唱能力の大切さ
文章を復唱する能力は、聴覚による短期的な記憶が関わると言えるでしょう。
文章を復唱できるということは、耳で聞いた文章をぱっと(一時的ではありますが)覚えることができるということです。
文章が復唱できる、つまりその場で聞いた文章を頭の中に一時的にとどめておける力は、言葉の理解の助けとなるでしょう。
逆にこれが難しい場合、集団行動の指示を聞き間違えたり、短文の内容を誤って覚えてしまうなどが考えられます。
復唱能力と子供の発達
これらより、子供の復唱能力を把握することは言葉の発達において有意義と考えられます。
例えば子供が3語文の復唱ができないのであれば、3語文での指示理解は難しい可能性があります。
以下、子供の復唱能力について段階別で見ていきます。
復唱課題の種類
順唱と逆唱の違い
単語の復唱
2語文の復唱
3語文の復唱
2数詞の復唱
3数詞の復唱
3数詞の復唱
3数詞の逆唱
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧