言葉の対象年齢考察

ディベートは何歳から?|子供の論理的思考と言語発達

公開日:2020年6月7日


 
 

ディベートは何歳から?

一昔前は「口の達者さ」と捉えられがちなディベートでしたが、グローバル化の昨今、論理的な説明・討論の大切さが再認識されていますね。

ディベートができるのは何歳頃かなのでしょう?

客観的な情報をもとに感情論ではなく論理的な話し合いを行える。

大人でも難しいというかできない人もいますよね。

そのため厳密に「何歳から」と線引きできるものではありませんが、目安としては

ディベートができるくらい、論理的な思考を言葉にできるのはおよそ10歳前後かと思います。

 
 
 

ディベートと子供の発達

子供の発達を見る検査に、
S-M社会生活能力検査
というものがあります。

幼児期・学童期と比較的幅広い年齢帯で発達を見ることができる検査です。
言語能力や運動能力といった機能的な力だけでなく、検査の名前通り生活習慣に着目した項目も豊富な点が特徴と言えます。

上記によると

人の話を最後まで聞ける。
相手の立場を考えて話す。
ニュースや時事に関心を持つ。

といった傾向は10歳前後の発達項目と位置付けられています。

 
 
 

論理的思考と子供の言語発達

各種発達検査を参考にすると、

子供はおおむね5歳前後くらいから「もし~だったら~」といった仮定の話ができはじめます。

「今」「ここ」で起きていること以外に、もっと広い視野を持った思考を言葉にできはじめるわけですね。

そして
6歳頃にはごく簡単ですが論理的な表現ができはじめます。

論理的表現とはつまり
「~だから~」という説明に筋が通っているということです。

例えば
「イチゴとバナナどっちが好き?」
という質問に対し、

「イチゴが好き」
と子供が答えたとします。

「どうしてイチゴが好きなの?」
という質問に対し、

「甘いから」という答えではバナナと差別化ができていません。

一方で、
「ケーキにのっていておいしいから」
という答えであれば、個人の好みではありますが筋は通っています。
ケーキの上にのっているのは一般的にバナナよりもイチゴだからです。

このように、
客観的な表現が幼児期後半から学童期にかけて可能となっていきます。

そして加えて相手の立場や状況によって言葉や表現を変える力が身に付き、論理的な話し合いができる能力へとつながっていきます。

 
 
 

おわりに

子供の発達には個人差がありますから、
あくまで目安として捉えてもらえれば幸いです。

最近は「論破」という言葉をよく耳にします。

議論の場で相手を論理的にねじ伏せる行為ですね。

論破をするためにはそれなりの論理的思考力や言語表現力が必要です。

一方で、
より良い話し合いをするためには相手と協調し相手を尊重しながらも論理的に話す塩梅が必要です。

学童期は、そういった相手を尊重しなおかつ論理的に話すという練習を始めてもいい時期と言えます。

 
 
 

参考資料

 

-言葉の対象年齢考察

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