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「S-M社会生活能力検査」とは?
「S-M社会生活能力検査」とは、その人の社会生活能力を評価する問診方式の検査です。
知能(IQ)とはまた違う、生活スキルや社会スキルを評価します。
検査の概要
対象者と対象年齢
対象は社会生活面を評価したいお子さんで、
対象年齢は乳幼児~中学生です。
比較的対象年齢が広い検査です。
検査用具の構成や価格
検査は検査用紙に沿って問診形式で行われます。
その子のことをよく知る保護者などに回答してもらいます。
お子さん自身に検査室で直接問題を解いてもらう類の検査ではありません。
お子さんの普段の様子を評価する検査です。
実施方法や所要時間、難易度
所要時間は20分程度です。
下限や上限があるため効率よく実施できるでしょう。
問診形式なので実施は簡単ですが、結果は点数から指数を算出するため、注意が必要です。
検査でわかること
社会生活年齢(SA)と社会生活指数(SQ)が算出できます。
本検査における社会生活能力とは、「自立と社会参加に必要な生活への適応能力」と定義されています。
お子さんの能力を知る目安としては知能指数(IQ)が一般的ですが、IQでは測れない実際の生活の上での能力を評価する狙いがあります。
特徴
S-M社会生活能力検査では社会生活能力を6つの領域で考えています。
6つの領域とは、
身辺自立:SH(Self-Help)
移動:L(Locomotion)
作業:O(Occupation)
コミュニケーション:C(Communication)
集団参加:S(Socialization)
自己統制:SD(Self-Direction)
です。
検査用紙はそれぞれの領域ごとに項目が設定されています。
検査の実際
良いところ
日常生活では、IQだけでは語ることができない生活スキルやコミュニケーションスキルが大切になってくる。
というのは誰しもがなんとなく感じていることでしょう。
また、近年よく耳にする発達障害に関しては、そういったソーシャルスキルの重要性が指摘されています。
あくまで目安ではありますが、
S-M社会生活能力検査はソーシャルスキルの客観的な評価に役立つのではないでしょうか。
悪いところ
S-M社会生活能力検査は各項目ごとに目安となる発達年齢が記載されていますが、その年齢の幅が広すぎる印象を受けます。
まあ、社会生活能力はその人の環境によってずいぶん左右されるでしょうから、仕方ないのでしょうが。
おわりに
人間に必要な能力はIQだけではない。
と誰しもが感じつつも、じゃあ何が必要なのかというのは答えが一つにまとまっていない昨今。
いずれにせよ、
お子さんの評価は知能面だけでなく生活スキルや社会スキルなど多面的に行う必要があります。
そういった多面的な評価の一側面として、S-M社会生活能力検査は役立つでしょう。
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参考資料
『S-M社会生活能力検査 第3版』(日本文化科学社)2020年1月21日検索