長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)とは?
長谷川式簡易知能評価スケールは頭文字を取って「HDS-R(エイチディーエスアール)」とも言われます。
長谷川式簡易知能評価スケールとは簡易的な知能検査の1つですが、実際は認知症のスクリーニング検査として使われる検査です。
そういった背景から、後に「長谷川式認知症スケール」と改名されます。
長谷川式認知症スケールの解説
長谷川式認知症スケールは検査者が口頭で質問し被験者も口頭で答えてもらう言語性の検査です。
検査の分類としてはスクリーニング検査に該当し、詳細な評価や検査をする前段階の簡易的な検査となります。
カットオフが定められており、30点満点中20点以下で認知症の疑いありとされます。
長谷川式認知症スケールの実際
長谷川式認知症スケールは9項目の問題に分かれていて、内容は
- 年齢
- 生年月日
- 見当識
- 3つの言葉を覚える
- 数を繰り返し引く
- 数字の逆唱
- 言葉の遅延再生
- 物の視覚記銘
- 語想起
となっています。
いずれも出題はシンプルで、実施および採点がしやすい検査となっています。
おわりに
長谷川式認知症スケールはそのわかりやすさから、医療関係の学生の授業に出やすい検査でもあります。
「桜・猫・電車」といった関連性のない単語の記憶課題は逆に学生の印象に残っていることもしばしばです。
また「長谷川式簡易知能評価スケール」という言葉は長いので、現場では頭文字を取った「HDS-R」や単に「長谷川」と言われることが多いです。
そのため、
ベテランの医療従事者ほど「長谷川」や「HDS-R」と言うため、改名された「長谷川式認知症スケール」という正式名称が浸透していない印象を受けます。
補足記事
参考資料
『摂食嚥下障害の評価 2019』(日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2020年8月3日検索
『認知症のアセスメントにおける認知機能検査の意味と課題』(認知神経科学会)2020年8月8日検索
『長谷川式簡易知能評価スケール』(日本老年医学会)2020年8月8日検索