療育のおけるちょっとしたコツや方法についてです。
絵カード呼称課題のコツ
発達障害児療育において、机上課題や言語療法で特に行われる絵カードの呼称課題。
絵カードの呼称課題は、
机上に置いた絵カードを療育者が片手でめくり、
子供が集中して絵カードを呼称してくれる状況作りがポイントです。
絵カード呼称で療育者がすること
例えばリンゴやバナナなど絵カードが束になっていて、それを順番に子供に見せて、子供に名前を言ってもらう。
あるいは絵の人物が何かをしてる絵カードがあって、それがどんな状況か説明してもらう。
内容や意図は様々ですが、絵カードの呼称課題は療育場面で最もオーソドックスな課題の1つです。
このとき絵カードの呈示の仕方は、
療育者と子供が対面で座り、療育者が両手で持った絵カードを子供の前に呈示。療育者がめくりながら1枚1枚呼称を促すといったスタイルが多いかと思います。
しかしこれは効率がいいかと言えば微妙なところがあります。
例えば机上に絵カードを置いて、療育者が片手でカードをめくっていけば、もう一方の手で子供の解答や傾向のメモを取ることができます。
絵カード呼称は片手で絵カードを提示し、利き手はメモを取る用にあけておきます。
つまり
子供に呼称をしてもらい、
子供の様子を観察し、
その様子をメモに取る。
絵カード呼称課題において療育者はこの3つを同時にできるようにします。
子供が集中できる習慣作りをする
現場でなぜ絵カードを両手で持つかと言えば、1つは丁寧に行いたいという意図もあるかもしれませんが、おそらく1番の理由は
机に絵カードを置いてしまうと子供が絵カードを触って集中できないことがあるかではないでしょうか。
療育者が絵カードを持っていないと、子供がめくろうとしたり絵カードを勝手に触って課題に集中できない。最悪、子供が絵カードを床にばらまいてしまう。
そのため療育者が絵カードを両手で持っているのだと思います。
しかしながら個人的には、
言葉の数を教えるよりも、「今は絵カードを言っていく時間であり勝手にカードを触る時間ではない」ということを教えることのほうが先なのではと思います。
これはもっと具体的に言うと、
語彙を増やすよりも場を共有できる協調性を学ぶ機会のほうが実生活に役立つのではということです。
もちろん子供の発達の状況によって様々ですが、
絵カードを机においても集中できる可能性があるのなら、まずはそういった集中を促す練習を先にしたほうが双方にとってメリットがあるのではと思います。
おわりに
絵カード呼称課題はことばの療育においてしたほうもされるほうも「やった感」を得やすい課題の1つです。
しかしそれゆえに創意工夫をしたり意図をしっかり持たないと「ただやっただけ」になってしまいがちです。
絵カードの呈示の仕方1つとってもバリエーションは様々ですから、子供の状況を見て適切な呈示の仕方をしたいものです。