その他の検査

【検査】KIDS乳幼児発達スケールとは?

公開日:2018年2月20日


 
 

KIDS乳幼児発達スケールとは?

KIDS乳幼児発達スケールとは、小児用の発達検査のひとつです。

KIDSは「キッズ」と読みます。

このKIDSは子供と言う意味ではなく、検査名である
Kinder Infant Development Scaleの頭文字になります。

 
 

KIDSの解説

検査概要

KIDS乳幼児発達スケールは、お子さんの発達全般をみる検査です。

検査の形式は問診あるいは記入してもらう方式です。

「スキップができる」といった各項目にお子さんが該当するか○か×で答えてもらいます。

 
 

○か×かの判断基準

子供はできることでもやってくれるときもあればやってくれないときもあるし、できたりできなかったりすることもあります。

KIDSにおいて○と×の判断基準は、

・明らかにできる
・過去にできた
・やったことはないが、やらせればできる
であれば○です。

一方で、

・明らかにできない
・できたりできなかったりする
・やったことがなくてわからない
であれば×となります。

「できたりできなかったり」は「×」であることや、「やったことがなくてやらせてみないとできるかわからないもの」は「×」であることなどKIDSの実施に限らず、子供の発達を見る際の参考になるのではないでしょうか。

 
 

KIDSの実施によりわかること

KIDS乳幼児発達スケールを実施すると、各分野別のお子さん発達年齢がわかります。

KIDSにおける各分野とは、
・運動:体全体の大きな動き
・操作:手指などの意図的な動き
・理解言語:言葉の理解
・表出言語:話すことのできる言語
・概念:状況依存によらない言語的理解
・対子ども社会性:友達との協調関係
・対成人社会性:大人との関係、特に親子関係
・しつけ:社会生活における基本的なルール
・食事:衛生感覚や食事の基本的なルール
の計9項目を指します。

 
 

KIDSの特徴

KIDSの特徴は、まずは問診形式で実施が簡単なことが挙げられます。

これに加え、
検査項目が豊富でお子さんの状況を細かく把握できるところも特徴であると考えられます。

さらに、抽象的な能力である「概念」という項目をみることができる点や、社会性を「対子供」「対大人」に分けて評価できる点も他の検査にはあまり見られないおもしろいところではないでしょうか。

 
 

対象年齢

KIDSの対象年齢は0歳~6歳11カ月です。

つまり生後からだいたい小学校入学前の時期になります。

 
 

検査用紙の解説

これもKIDSの特徴なのですが、
KIDSは年齢によって検査用紙が分かれています。

それぞれはタイプという形で名称がつけられていて、
タイプA:0歳1ヶ月~0歳11ヶ月
タイプB:1歳0ヶ月~2歳11ヶ月
タイプC:3歳0ヶ月~6歳11ヶ月
タイプT:0歳1ヶ月~6歳11ヶ月

というふうになっています。

当然ながら年齢幅が広いタイプTが一番検査項目が多く記入に時間がかかります。
基本は年齢に合わせてタイプA~Cを使います。

ではタイプTはどういうときに使うのかというと、発達のばらつきや遅れが目立つ場合に用います。

 
 

タイプTの解説

このように、KIDSは検査用紙が4種類に分かれていて、
タイプA・B・Cと比べてタイプTはやや特殊になります。

タイプA・B・Cは全てを記入してその合計で各分野の発達年齢を算出します。
つまり、例えば運動項目は全部の運動項目を答えてその合計点を出さないと子供の発達年齢はわかりません。
「スキップができる・できない」こと自体が何歳相当なのかというのはわからない。

これに対し、タイプTはそれぞれの項目に相当する月齢が記されています。
そのためタイプTは合計の発達年齢も出せるし各項目の正常発達における年齢の目安も知ることができます。

例えば「スキップができる」という項目はタイプTにて49か月。つまり4歳1カ月相当であることがわかります。

ちなみにタイプA・B・Cの項目とタイプTの項目は被っているので、タイプA・B・Cの項目もタイプTをみればおおよそ課題の相当年齢はわかります。
 
 

KIDSの各項目の設定年齢

KIDSは1989年に作られた検査です。
乳幼児6,000名によって標準化された日本生まれの検査です。

1989年と聞くと古い印象を受けますが、この手の類の検査としては比較的新しい方です。

時代が進むにつれ、保育園の利用が増えたり「お受験」をする子が増えている昨今、子供の「できること」というのも一昔前と比べると異なります。

そのため、類似した検査である津守式や遠城寺式と比べると項目によってはずいぶんと年齢が若く設定してあります。

例えば「スキップができる」はKIDSでは4歳1カ月相当の項目。
遠城寺式では4歳4カ月~4歳8カ月相当に設定されています。

補足記事:遠城寺式乳幼児分析的発達検査とは?

 
 

購入価格など

KIDSは一でおよそ1万円弱となります。
発達検査の類としては低価格なものに該当するのではないでしょうか。

外部リンク:KIDS乳幼児発達スケール(千葉テストセンター)

また、KIDSの一部だけならネット上で無料で見本を閲覧できます。

外部リンク:KIDSの見本(発達科学研究教育センター)

 
 
 

参考資料

『実態把握(心理アセスメント)』(広島市)2021年2月27日検索

-その他の検査

テキストのコピーはできません。