モーラ分解はいつから?
子供の発音や読み書きにおいて重要なモーラ単位での音韻分解は何歳頃からできるのでしょうか。
個人差はありますが、
モーラ分解が可能となるのは4~5歳頃です。
解説
モーラとは?
「モーラ」とは言葉の音を時間の長さで区切る考え方です。
モーラは「拍(はく)」とも言われます。
モーラは基本の音に加えて長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)も1つとして数えますが、拗音(ゃ・ゅ・ょ)は数えません。
類似した単位に音素・音節などもありますが、日本語の音の区切りの感覚としてはモーラが最も近いでしょう。
モーラ分解とは?
モーラ分解とは、単語の音をモーラの単位で区切ることです。
例えば「りんご」という単語が「り」「ん」「ご」という3つの音でできていることがわかるということです。
幼児期の場合、音節分解ができてもモーラ分解が難しい時期があります。
例えば「みかん」という単語を「み」「か」「ん」という3つの音で認知することができず、「み」「かん」のように2つの音に分けてしまう場合などです。
あるいは「ぼうし(帽子)」を「ぼう」「し」、「テープ」を「てー」「ぷ」などです。
音韻意識が未熟な頃、とりわけモーラ分解が難しい時期は長音(ー)・促音(っ)・撥音(ん)の認知が困難です。
音韻意識とはこのように言葉の音韻を正しく認知し、分解したり抽出できる力のことです。
モーラ分解をできなければ耳で聞いた単語を文字に書き起こしたり正確に発音する際に影響が出ると考えられます。
このようなモーラ分解の力は定型発達において4~5歳頃に獲得されると考えられています。
ちょうどこの時期は平仮名や言葉遊び(しりとりなど)に興味が出始める時期です。
読み書きや言葉の音に着目した遊びには、こういった音韻意識の力が重要と言えるでしょう。
参考資料
『幼児における音声産出能力の発達と音韻意識の関係』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月20日検索