自分の性別がわかるのは何歳から?
子供が自分の性別をわかるのは3歳前後くらいからです。
ここで言う「性別がわかる」とは、例えば子供に「あなたは男の子?女の子?」と聞いて正しい性別を答えられることを指します。
解説
性別の概念の発達
子供の発達を見る検査に、認知・言語促進プログラム(NCプログラム)というものがあります。
子供の発達を言葉や運動など幅広く、要点を押さえて評価できるツールです。
これによると「男」「女」という姓別の概念の理解は3歳前後の課題と位置付けられています。
また、ポーテージ早期教育プログラムという子供の発達目標を年齢別・段階別に見ることができるツールによると、自分の性別を答えることができるのは2~3歳相当の発達と考えられています。
このように、(個人差はもちろんあるでしょうが)男女という姓別の概念はおおむね3歳前後に身につくと考えられます。
男女概念の形成
近年のジェンダーレスな思想に伴い、あまり「男の子」「女の子」と性にこだわりを持つことは建設的ではありません。
一方で、例えば目の前の人や本の登場人物が「男」なのか「女」なのか自分なりに判断できる認知発達は大切ではないでしょうか。
つまり「差別」や「偏見」という意味ではなく、「認知面の発達」「概念の形成」ということに関して男女概念を学んでいくということです。
男女の性別の教え方
男女概念の理解については、絵本や会話を通してそれとなく話題に取り込んでいくことが教え方の1つです。
「男の子がいるね~」や「女の子はどっちかなぁ?」など絵本などを通して子供と言葉の確認をする機会を設けるといいでしょう。
保育園のお友達の話で、「たっくんって子は男の子?女の子?」などさりげなく聞いてみてもいいでしょう。
「男の子?女の子?」など聞く場合は「女の子?男の子?」など聞く順番を入れ替えることも有意義です。
これにより丸暗記の応答を防ぐことができます。
ただし男女概念は他の認知発達と共に自然と身についてくる場合が多いので、個別で練習する機会はそこまで多くないかもしれません。
その他の概念の理解や言葉の力と併行してバランスよく取り入れることが良いでしょう。
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索
『HIV/AIDSについて(ファクトシート)』(厚生労働省検疫所)2021年12月18日検索
『PrEPって?』(国立国際医療研究センター SH外来)2021年12月18日検索
『抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)』(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)2021年12月18日検索