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性的なスキンシップに関する5~8歳の性教育
国際的には、5~8歳の時期は性教育を段階的に始める最初の時期に相当します。
5~8歳の時期の子供達には、まずは人と関わる上で「良いタッチ」を「悪いタッチ」があることを指導します。
自分や他者の身体に興味を持つことは自然な欲求であることを伝えながらも、実際のスキンシップには人間関係に対する配慮が必要であることを学んでいきます。
性教育のエビデンス(科学的根拠)
国際的な流れとして、性教育は性行為に関する知識だけでなく、ジェンダー平等や性の多様性といった人権尊重を基盤にしたものが主流となりつつあります。
このような性教育を「包括的性教育」と言い、このガイドラインとしてユネスコによる「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」があります。
包括的性教育では5~8歳、9~12歳、12~15歳、15~18歳以上と年齢的には4段階に分けて性教育を行います。
幼児期からの性教育は日本のこれまでのイメージからすると早いイメージもあるかもしれません。
しかしきちんと内容を考慮し段階を踏まえた早期からの性教育は、性感染症や望まない妊娠などのリスクを軽減させる効果があります。
以下、5~8歳のスキンシップに関する性教育の要点を見ていきます。
学習の要点
性的な喜びについて
- 身体的な喜びや興奮は自然な人間の感情であり、そこには他者との身体的親密さが含まれることを理解する
- 自分の感情を他者に示したり他者との親密さを表現する方法には、適切な言動と不適切な言動があることを学ぶ
ふれあいやタッチについて
- キスやハグなどのふれあい、および性的行為は、他者に愛情や思いやりを示すことができる方法の1つであることを知る
- しかしふれあいには相手との関係性も重要であり、「良いタッチ」と「悪いタッチ」があることを学ぶ
- もし誰かが悪い方法でタッチをしてきた場合にすべき行動を考える
包括的性教育について
参考資料
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(UNESCO)2021年5月2日検索
『HIV/AIDSについて(ファクトシート)』(厚生労働省検疫所)2021年12月18日検索
『PrEPって?』(国立国際医療研究センター SH外来)2021年12月18日検索
『抗HIV薬の曝露後予防内服(PEP)』(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)2021年12月18日検索