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遠城寺式乳幼児分析的発達検査の通過率
遠城寺式乳幼児分析的発達検査の検査項目は、およそ60~70%の通過率のものが採用されいます。
つまり3歳頃に配置されている検査項目はおよそ60~70%の3歳児ができることを示します。
以下、遠城寺式乳幼児分析的発達検査の検査項目の選定について解説していきます。
解説
検査項目からの示唆
「何歳頃に何ができるのか」は専門家に限らず多くの親にとっても関心事の1つでしょう。
では、何を持って「何歳頃に何ができる」と判断したらよいのでしょうか。
「何歳頃に何ができるのか」は発達評価において重要な知識であると同時に、慎重な定義が必要なものです。
例えば「戦隊ヒーローに詳しい」ということはある程度は子供の成長を示唆するかもしれませんが、環境差・個人差も否めません。
そもそも戦隊ヒーローに興味がない子にとってはフェアな項目とは言えないでしょう。
発達検査の項目がどのように選定されているかの背景を知ることは、子供の発達についての知識を深める上で1つの示唆となります。
遠城寺式の項目選定
遠城寺式乳幼児分析的発達検査は以下のようなことを念頭に検査項目が選定されています。
- 年齢相関を示す
- 年齢特異性が高い
- 日常生活場面で一般的に観察される
選定ポイントの解説
年齢相関を示す
「年齢相関を示す」とは、年齢を重ねる中でそれができる子が増えることを意味します。
例えば「歩く」という行為は年齢を重ねるほどできる子が増えていきます。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査では通過率が年齢と共に上昇する(少なくとも下降しない)項目が採用されています。
年齢特異性が高い
「年齢特異性が高い」とは、ある年齢でできる子が急激に増えることを意味します。
例えば「歩く」という行為はおおむね1歳頃にできる子が多いです。
1歳・2歳・3歳と均等にできる時期が分散されているわけではありません。
このような年齢特性が高い項目は、発達の傾向を示す示唆的な項目として重宝します。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査では、年齢特異性が高い項目が採用されています。
日常生活場面で一般的に観察される
遠城寺式乳幼児分析的発達検査では、日常生活場面で観察されるような一般的な子供の発達を項目として採用しています。
これは本検査の特長である「簡便に短時間で実施できる」ことに寄与していると考えられます。
遠城寺式乳幼児分析的発達検査の解説(全体のページ)
参考資料
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法について』(認知神経科学会)2023年3月18日閲覧