離乳の開始の目安
離乳食の開始の目安としては、
- 定頸の獲得
- 支え座位の獲得
- 食物への興味の芽生え
- 舌挺出反射の減弱ないし消失
これらが見られることが挙げられます。
定型発達においては生後5~6か月頃に相当します。
解説
離乳開始に必要な身体発達
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」によると、上記のような項目が離乳開始の目安となっています。
定頸とは首が座ることを指します。
座位は座ることであり、座ることはしばしば「腰が座る」とも言います。
つまり、離乳の開始は首が座り腰が座りかけている(支えれば座れる)状態が目安の1つとなります。
さらに、0歳の赤ちゃんに「食べなさい」と言葉で諭しても食べることは難しいでしょうから、本人の食べ物への興味も大前提となります。
そして哺乳から食物の摂取へ移行するには原始反射の消失も必要です。
舌挺出反射(ぜつていしゅつはんしゃ)とは固形物が口に入った時に舌で押し出す反射です。
「舌突出反射」「押し出し反射」とも言われます。
舌挺出反射は固形物を食べることができない生まれたばかりの頃は大切な反射です。
なぜなら固形物を食べることができない時期に固形物を飲み込んでしまっては命に関わるからです。
しかし舌挺出反射は成長し食物を食べる時期になると嫌でも口の外に食べ物を出してしまうため妨げとなります。
舌挺出反射は5~6か月頃に減弱あるいは消失していくので、これも離乳開始の目安となります。
離乳の進め方
離乳の開始となる5~6か月頃は、離乳食を進めるにあたっての離乳初期と位置付けられます。
離乳初期は嚥下機能獲得期および捕食機能獲得期とも言われ、まさに飲み込むことや食べることの機能を獲得し始める時期です。
離乳開始前の時期は哺乳、つまり哺乳瓶や乳首をくわえたまま液体を飲む行為が赤ちゃんにとっての食事の機能でした。
これが離乳開始になると異なった動きが必要になります。
つまり唇と閉じて口の中に入っている食べ物を飲み込む必要があります。
ここで先ほどの舌挺出反射の減弱が重要な意味を持ちます。
一方で離乳開始当初はまだ口の動きが不十分で咀嚼がほぼできません
まずは噛む必要のないペースト状の離乳食を用います。
口の中に入った物を舌を使って前から後ろに運び飲み込めるかをポイントに見てあげます。
参考資料
『授乳・離乳の支援ガイド(2019)』(厚生労働省)2020年2月25日検索
『授乳・離乳の支援ガイド(2007)』(厚生労働省)2020年7月25日検索