小学校には行った方がいいか?
小学校には行った方がいいのか?
いじめや不登校、学校に馴染めない。
理由はいろいろあると思いますが、
可能であれば学校には行った方がいいです。
その学校が嫌なら別の学校に転校すればいいです。
その学校に行かないといけないというわけではなくて、
学校に行かないよりは、自分に合う学校を気楽に見つけてそこに通うほうがいいと思います。
以下、もう少し詳しく。
義務教育とは?
小学校は(中学校もですが)義務教育ですね。
この「義務教育」とは学校に行かないといけない義務ではありません。
「義務教育」の「義務」とは親の義務です。
もう少し具体的には、教育を受けたい子供がいるのなら、親は子供に教育を受けさせる義務があるということです。
子供には教育を受ける権利があり、
親(大人)には教育を受けさせる義務がある。
親がランドセルを買ったり学校に通える手続きをしたりいろいろしてくれる。
でも子供は学校に行かない。
これは義務教育に関する権利も義務も犯していません。
それでは、なぜそれでも学校に行った方がいいのでしょう?
義務教育はお得?
日本の場合、義務教育を受けられるかどうかの基準は年齢です。
小学生~中学生の年齢に相当する間にのみ義務教育を受けられます。
小学校と中学校で9年間。
今、義務教育を1年受けなかったからあとで1年分受けようというのはできないのです。
塾に行ったり、習い事をした人ならわかるかもしれませんが、
教育を受けるということはたくさんの費用と労力がかかります。
義務教育期間は、そんな教育をほぼ無料で受けることができます。
義務教育は受けておいた方がお得なのです。
けれど、無理をする必要がないことも事実です。
世の中にはいろんな学校があって、いろんなコミュニティがあります。
学校には行った方がいいですが、「その」学校に行く必然性はありません。
合わないなら、気楽に他の場所を探してもいいのです。
まとめ
学校というのは特殊な環境です。
狭い環境では、変なことにこだわったり変なルールがあったり、それが理不尽さやいじめにつながったりします。
でも、世界は広いです。
だから、「こういう世界もあるんだな」とわかったら、それが合うならそこに居ればいいし、そうじゃないなら別の場所を見に行っていいと思います。
そうやって、義務教育の期間を楽しめばいいのです。
最後に、魚類学者である「さかなクン」の言葉を引用して終わりたいと思います。
広い海へ出てみよう
中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、だれも口をきかなくなったときがありました。いばっていた先輩(せんぱい)が3年になったとたん、無視されたこともありました。
突然のことで、わけはわかりませんでした。
でも、さかなの世界と似ていました。
たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。せまい水槽(すいそう)に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃(こうげき)し始めたのです。けがしてかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子があらわれます。広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、なぜかいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。
中学時代のいじめも、小さな部活動でおきました。
ぼくは、いじめる子たちに「なんで?」ときけませんでした。
でも仲間はずれにされた子と、よくさかなつりに行きました。学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。話をきいてあげたり、励ましたりできなかったけれど、だれかが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。ぼくは変わりものですが、大自然のなか、さかなに夢中になっていたらいやなことも忘れます。
大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。
外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう。さかなクン(朝日新聞2006年12月2日掲載)より引用