子育てで効果的な「ご褒美」のあげ方
「子供は褒めて伸ばす」なんて言葉はよく耳にしますね。
褒めるの延長線上に「ご褒美」という考えがあると思います。
「ご褒美」はどのようにあげるのが効果的なのでしょう?
ご褒美はあげるべき・あげないべきといった2択ではなく、重要なのはどうあげるかです。
子育てにおいて、
「ご褒美」は「結果」に対してよりも「過程」に対してあげたほうが効果的であるということです。
以下、もう少し詳しく。
「結果」に対するご褒美と「過程」に対するご褒美の違い
ハーバード大学のフライヤー教授による、アメリカ5都市で行われた大規模な実験によると、
「テストで良い点を取る」という結果に対して「ご褒美」をあげるパターンと、
「宿題をする」「本を読む」といった過程に対して「ご褒美」をあげるパターンを比較すると、
過程にご褒美をあげたほうが学力テストの点数がアップしたそうです。
この経過を観察すると、どちらのご褒美も子供は喜んだそうなのですが、それがテストの結果に反映されたのは後者のほうでした。
なぜでしょうか?
結果にご褒美をあげても、
子供はその結果を出すために具体的に何をすればいいのかわかりません。
一方で、
過程にご褒美をもらえるとするべきことが明白になるし、過程が結果に結びつく成功体験も実感できます。
このように、同じご褒美でもそのあげ方で効果が変わってくるわけです。
「ご褒美」は「お金」でもいいのか?
もう少し具体的に、
「ご褒美」は「お金」でもいいのでしょうか?
特に日本はお金儲けに対してあまりいいイメージがなかったりするので、子供にお金をご褒美として渡すことに躊躇する親御さんも多いはず。
シカゴ大学のレヴィット教授らの実験によると、
お金のご褒美よりも同額の物(トロフィーなど)のほうが小学生には高い効果があったそうです。
一方で、中高生になるとお金のほうが効果があったそうです。
お金という物はやや抽象的な物なので、やはり子供の年齢によって捉え方は変わるようですね。
また、これも重要な示唆なのですが、
先述のフライヤー教授の調査によると、
ご褒美としてお金をもらった子供は、そのお金を貯蓄したり使う際に計画を立てたりなど、お金を大切にする姿勢が見られたそうです。
ご褒美の対象としてお金をあげると、なんだか子供が意地汚くなるイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実情は違うようですね。
おわりに
子供というのはまだこれからいろいろな経験を重ねていく時期です。
そんな子供にとって、結果の経験だけでなく過程の経験は大切です。
どんなことをすると結果に結びつくのか。
授業を理解し、テストに結果を反映させるために毎日の宿題を大切に取り組む。
当たり前のようですが、それを実感するためにはそれなりの経験が必要です。
「ご褒美」を通して、子供と親が一緒に「過程」について考える機会を持つことは非常に有意義なことです。
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