母親の労働時間と子の肥満
母親の労働時間が長くなると、子供が肥満になる確率が上がるようです。
あくまで確率・統計上の話なので全ての家庭に当てはまるわけではないですが。
母親の労働時間と子供の肥満の関係性は、男の子がより高いです。
子供の肥満の割合
慶應義塾パネルデータ設計・解析センターの研究によると、
母親の労働時間が長くなると、子供が肥満になる確率は上がり、その傾向は男の子により顕著だそうです。
具体的には、
母親の労働時間が1時間長くなると、男の子が太る確率は2.4%高くなるそうです。
さらに詳しく比較すると、
母親が専業主婦(無職)の家庭の場合、子供が肥満傾向になる割合は3.3%です。
性別でみると女の子が2.9%、男の子が3.6%。
専業主婦家庭の女の子が、子供の中では最も肥満の割合が低いことがわかります。
そして
母親の労働時間が35時間以上の家庭の男の子の肥満の割合は13.9%となっています。
専業主婦家庭と比べると4倍近い差があることがわかります。
ちなみ1日の労働時間は8時間、週に5日働くと40時間ですね。
週35時間以上の労働とは、フルタイムあるいは時短勤務に相当する労働環境であることが予想できますね。
子供の肥満の男女差
母親の労働時間が長くなると、それに伴い朝食を抜いたり外食の頻度が増える家庭が多いようです。
つまり栄養バランスのとれた食事を摂る機会が減るわけですね。
もちろん家庭によって状況は異なるので一概には言えませんが。
また、母親の労働時間の長さが同じでも、なぜ男女差が生まれるのでしょうか。
母親の労働時間が長くなると、母と子の接する時間は減り、子供は一人で過ごす時間も長くなります。
母親の労働時間が長くなると、子供がテレビ・ゲーム・インターネットを利用する時間も長くなります。
この傾向は男女共に見られますが、より顕著なのが男の子のようです。
あくまで推測の域を出ませんが、
母親の労働時間が長くなることで、男の子のほうが運動をしない習慣がつきやすいのかもしれません。
おわりに
一方で、子供と接する時間や食事について話す機会が最近少ないなと思う場合は、食育について改めて考えるいいきっかけになるかもしれません。
参考資料
『子供の健康資本と親の時間配分行動』(国立社会保障・人口問題研究所) 2020年1月29日検索
『子どもの受診行動の決定要因分析』(一橋大学機関リポジトリ)2020年1月30日検索
『母親の就業は子どもの肥満をもたらすのか』(慶應義塾 パネルデータ設計・解析センター)2020年1月31日検索
『参照タイトル』(サイトタイトルなど、J-STAGE、厚生労働省)○年○月○日検索