すりつぶし機能獲得期とは?
すりつぶし機能獲得期とは、歯や歯茎で食べ物をすりつぶす機能を獲得する段階です。
定型発達における9~11か月の時期に相当します。
この時期は離乳後期にあたります。
歯茎でつぶせる程度の固さの食事で、より巧みな口の動きを覚える段階です。
解説
意義
摂食嚥下機能の発達は、
経口摂取準備期
↓
嚥下機能獲得期
↓
捕食機能獲得期
↓
押しつぶし機能獲得期
↓
すりつぶし機能獲得期
↓
自食準備期
と移行していくため、すりつぶし機能獲得期は摂食嚥下の発達における5段階目にあたります。
すりつぶし機能獲得期は、文字通り食物を口の中で「すりつぶす」ことを覚える段階です。
食べ物をすりつぶすために、口を左右に動かすことや左右非対称に動かすことを獲得する時期です。
これにより押しつぶし機能獲得期よりも形のある食物に対しても食塊形成できるようになります。
機能や特徴
機能的には以下のような点が特徴となります。
- 下顎の偏位
- 左右非対称な口角の引き
- 口唇が噛んでいる方に寄る動き
- 舌を使って口の中の食べ物を歯茎の上に乗せる
- 歯や歯茎で食べ物をつぶす
- くぼみのあるスプーンから食べ物を取り込める
このように、すりつぶし機能獲得期は口の左右非対称な動きがポイントになります。
これにより食べ物を口の中で様々な位置に動かすことができ、器用に食塊形成をできます。
また、このために自分で食べ物を歯茎の上に舌を使って乗せることができるかもポイントです。
すりつぶし機能獲得期相当の口腔機能になってくると、口唇もある程度器用になってくるため、くぼみのあるスプーンで残りがないように取り込むこともポイントになってきます。
またこの時期は手づかみ食べも始まる時期であり、以降の自食機能の発達の芽生えとなる時期でもあります。
補足記事
参考資料
『授乳・離乳の支援ガイド(2019)』(厚生労働省)2020年2月25日検索
『摂食・嚥下機能の発達と減退』(一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会)2021年8月19日検索