実行機能

発展版DCCS課題の手順や内容・実施方法

公開日:2022年7月27日

前のページ


 
 

発展版DCCS課題の手順

発展版DCCS課題では、

  • 練習
  • プレスイッチ
  • ポストスイッチ
  • 混合


の4つの段階で構成されます。

 各段階へ移行する際に、適用する分類ルールが前段階を踏まえている点がポイントであり重要になります。

 
 
 

解説

練習

 練習段階では試行ごとにフィードバックを与えながら分類を行っていきます。

 被験者にはスクリーン上にメインとなる絵、その下に選択肢となる2つの絵が呈示されます。

 2つの選択肢の絵は、メインの絵と「色は同じだけれど形が違う」「形は同じだけれど色が違う」ものとなっています。

 例えばメインに「赤い車」が呈示され、選択肢に「赤い飛行機」と「青い車」が呈示されているような状態です。

 この状態で、色だけの分類・形だけの分類をそれぞれ練習していきます。
 この際はフィードバック、つまり正解したかどうかも確認していきます。

 
 

プレスイッチ

 プレスイッチ段階ではフィードバックなしで分類とやっていきます。

 分類の仕方は1種類だけです。

 プレスイッチ段階での分類ルールは、練習段階で最後に行ったルールで行います。

 つまり練習段階の最後に色で分類をしたなら、プレスイッチ段階でのルールは色で分類します。

 ただし、プレスイッチ段階は練習段階とは違う絵(刺激)を使って行います。

 プレスイッチ段階ができたら次のポストスイッチの段階へ、できなければ課題はここで終了です。

 
 

ポストスイッチ

 ポストスイッチ段階ではプレスイッチ段階とは違うほうの分類ルールで分類します。

 できたら次の段階へ、できなければ課題はここで終了となります。

 
 

混合

 混合段階では、色で分類する試行と形で分類する試行がランダムに呈示されます。

 ただしその割合は検査者側で差をつけるようにしておきます。

 具体的にはプレスイッチ段階のルールが2割、ポストスイッチ段階のルールが8割になるように課題設定しておきます。

 
 
 

通常版のDCCS課題とは?

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『自己制御と実行機能の関係の検証に係る諸問題』(心理学評論刊行会)2022年5月5日検索

『幼児版ストループ課題の作成』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月6日検索

『幼児における「心の理論」と実行機能の関連性 : ワーキングメモリと葛藤抑制を中心に』(一般社団法人 日本発達心理学会)2021年11月6日検索

『幼児における「心の理解」の指標としての嘘をつく行為と葛藤抑制能力との関連』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月8日検索

『言語ラベリングが実行機能課題に及ぼす効果とその持続性-幼児期に着目して-』(京都大学学術情報リポジトリ)2021年12月4日検索

『子どもの認知発達の指標として「うそ」をとらえる』(日本心理学会)2021年12月29日検索

『日本語版 BRIEF-P の開発』(日本発達障害支援システム学会)2021年12月30日検索

『子どものGO/NO-GO課題と生活調査 : 日本の1998年と中国の1984年を比較して』(信州大学 他 国立国会図書館デジタルコレクション)2021年12月30日検索

『「乳幼児の脳を「go/no-go 実験」から分析し,成人らしい「活発型」へと変化・成長させていく取り組み』(白梅学園大学・短期大学 学術リポジトリ)2022年1月9日検索

『小学生における高次神経活動の実態とそれに及ぼす生活状況の検討:go/no-go課題における誤反応数と型判定の結果を基に』(日本発育発達学会)2022年1月9日検索

-実行機能

テキストのコピーはできません。