このページはDCCS課題を踏まえたページとなっております。
DCCS課題については以下をご参照ください。
発展版DCCS課題とは?
発展版DCCS課題とは、DCCS課題の対象年齢を引き上げた内容の課題です。
DCCS課題と同様に、Zelazoらによって考案されました。
解説
発展版DCCS課題の意義
通常のDCCS課題は5歳で天井効果となってしまいます。
つまり5歳頃にはほとんど正答してしまい、それ以降の年齢では成績を比べることが難しくなります。
これに対し、3歳~15歳まで成績に変化があるように作られたのが発展版DCCS課題です。
発展版DCCS課題は3歳~15歳まで成績が上昇していく傾向があるので、その子の実行機能の発達の経過を見ることができます。
発展版DCCS課題の成績差
発展版DCCS課題では、3~4歳、4~5歳、5~6歳、6~8歳それぞれの間に統計的に有意な成績差が見られます。
また8~13歳の間に関しても(統計的な差はないものの)成績自体は上昇しています。
ただし8~13歳と14~15歳で比較すると有意差はあるようです。
このように、発展版DCCS課題は通常のDCCS課題と比べてより広い年齢で実行機能の習熟度を考察することができます。
発展版DCCS課題では3~8歳の間に急激な成績上昇が見られます。
その後は若干停滞し、思春期前後にもう一度変化が見られる傾向があります。
以下、発展版DCCS課題の具体的な内容を見ていきます。
発展版DCCS課題の内容・手順
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『自己制御と実行機能の関係の検証に係る諸問題』(心理学評論刊行会)2022年5月5日検索
『幼児版ストループ課題の作成』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月6日検索
『幼児における「心の理論」と実行機能の関連性 : ワーキングメモリと葛藤抑制を中心に』(一般社団法人 日本発達心理学会)2021年11月6日検索
『幼児における「心の理解」の指標としての嘘をつく行為と葛藤抑制能力との関連』(公益社団法人 日本心理学会)2021年11月8日検索
『言語ラベリングが実行機能課題に及ぼす効果とその持続性-幼児期に着目して-』(京都大学学術情報リポジトリ)2021年12月4日検索
『子どもの認知発達の指標として「うそ」をとらえる』(日本心理学会)2021年12月29日検索
『日本語版 BRIEF-P の開発』(日本発達障害支援システム学会)2021年12月30日検索
『子どものGO/NO-GO課題と生活調査 : 日本の1998年と中国の1984年を比較して』(信州大学 他 国立国会図書館デジタルコレクション)2021年12月30日検索
『「乳幼児の脳を「go/no-go 実験」から分析し,成人らしい「活発型」へと変化・成長させていく取り組み』(白梅学園大学・短期大学 学術リポジトリ)2022年1月9日検索
『小学生における高次神経活動の実態とそれに及ぼす生活状況の検討:go/no-go課題における誤反応数と型判定の結果を基に』(日本発育発達学会)2022年1月9日検索