系列的説明とは?|
言葉の発達における「系列的説明」とは、話す内容の構成要素をほぼもらさず、かつ時系列に話せる力のことです。
系列的説明の力、おおむね4歳頃に獲得されると考えられています。
解説
言葉の発達における「系列的説明」
人が何かを説明するとき、おおむね押さえておかないポイントというものがあると思います。
このようなポイントを「構成要素」と言います。
人に何かを説明するときは、構成要素を網羅する必要があります。
例えば「鬼ごっこのルール」を説明するのであれば、「じゃんけんで鬼を決める」「鬼は10数える」「その間に他の人は逃げる」「鬼は追いかけてみんなをタッチする」などいくつか言っておかないといけないポイントが思い浮かぶでしょう。これらが鬼ごっこにおける構成要素を言えます。
また、人に何かを説明するときは時系列に配慮しなければならないでしょう。
「じゃんけんで鬼を決める」→「鬼は10数える」
のように時系列に沿って説明する方が聞き手はわかりやすでしょう。
このように、構成要素を網羅してかつ時系列に物事を話せる力が「系列的説明」の能力です。
発達には個人差があるのであくまで目安ですが、子供は1歳頃から単語を話し2歳頃には2語文を話せるようになっていきます。
そして文章で話すことは3歳あるいは3歳後半頃から可能になっていきます。しかしながら子供はすぐに系列的な説明ができるわけではありません。
個人差はあるものの、系列的な説明の力はおおむね4歳頃に獲得されていきます。
「系列的説明」の例
「身体に石鹸付けて、お風呂入ってあったまって、頭も洗うの」
上記は系列的な説明ができていない発話の例です。
子供に「お風呂の入り方」を説明してもらいますが、まず石鹸をつけるだけで「お湯で流す」という構成要素が抜けています。
また身体を洗うことは先に言及したのに洗髪については後になり、時系列も不自然になっています。
これに対し、系列的な説明をできる例は以下のようになります。
「洋服脱いで、頭を洗って、身体を洗って、お湯で流してお風呂であったまるの。あがったら身体を拭いてパジャマ着るの」
幼児の話し方でよくある特徴一覧
参考資料
『質問―応答関係検査1―検査の作成とノーマルデータ―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧
『質問―応答関係検査2―質的分析と会話能力の段階設定―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧